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先端研トークイベント「先端で語る地域社会~釜石のミライを考える~」を実施

  • 先端研ニュース

2023年12月20日

「海と希望の学園祭 in Kamaishi」

11月18~19日、岩手県釜石市で三陸の海に関するイベント「海と希望の学園祭 in Kamaishi」が開催されました。この催しは、釜石市の主催のもと、地域社会の発展や人材育成を目的に連携協定を結んだ、東京大学の大気海洋研究所、社会科学研究所、生産技術研究所、先端科学技術研究センターとの共催で行われました。

初日は、先端研の飯田誠特任准教授(附属エネルギー国際安全保障機構)が「海洋再生可能エネルギーで地域を元気に!」と題し、9月まで釜石市の防波堤で実証していた波力発電を例に挙げ、再生可能エネルギーが地域にもたらす可能性について講演を行いました。

  • 飯田誠特任准教授
  • 飯田誠特任准教授

続いてのトークイベント、「東大に聞いてみよう!~スーパーサイエンス3と『にょろり』な対話~」に杉山正和所長・教授(エネルギーシステム分野)が登壇しました。

  • 杉山正和所長・教授
  • 杉山正和所長・教授

4所長(大気海洋研究所、社会科学研究所、生産技術研究所、先端科学技術研究センター)が一堂に会し、それぞれの研究所の歴史や研究の特徴について話す一方で、会場の参加者からリアルタイムで寄せられた質問に、各々の専門性からの視点で答えました。「科学とは」という問いについては、会場の東大関係者も回答し、多種多様な言葉で理解が示されました。
杉山所長は、再生可能エネルギーが普及した際、地域社会での生活が将来有利になる可能性について話をしました。

地域社会の可能性を語る先端研トークイベント

2日目には、「先端で語る地域社会~釜石のミライを考える~」と題した先端研トークイベントに、杉山所長、稲見昌彦副所長・教授(身体情報学分野)、飯田特任准教授が登壇しました。 当日朝、釜石に到着した稲見教授は、透明マントや千手観音のような第3、第4の腕を着脱できる自在肢(JIZAI ARMS)、けん玉トレーニングVR、超人スポーツなどの紹介を通して、技術の力によって例えば加齢による可能性の制限を克服することや伝統芸能の伝承など多方面での前向きな思考に至る可能性について語りました。

  • 稲見昌彦副所長・教授
  • 稲見昌彦副所長・教授

杉山所長は、先端研が東大の附置研究所の中で特定の専門を持たない研究所として発足し、前身の航空研究所の良き伝統を受け継いで多種多彩な文理融合の研究が同じ場所の中で行われていることを「幕の内弁当のような」という言葉で表現しました。また、社会実装を重視している点からも、専門の再生可能エネルギーについて、先端研内の建物の屋根や窓に実装している太陽光発電パネルの紹介をしました。

飯田特任准教授は、自身の風力発電の研究開発や、釜石市での波力発電システムの実証研究について紹介し、再生可能エネルギーの局所性や地域の資源活用を通じて、その地域への仕事や生活の課題解決につながることを考えたいと話しました。また、先端科学技術を地域に届ける重要性について、および、地域と先端研とのつながりをキーワードにファシリテーションを行いました。

  • (左より)飯田特任准教授、小野共釜石市長、杉山所長・教授、稲見副所長・教授
  • (左より)飯田特任准教授、小野共釜石市長、杉山所長・教授、稲見副所長・教授

「エンジニアリングはいってみればテロワール。風土が当てはまると、環境や住んでいる人々の生活で出来上がったものが、たとえば、釜石の名物になっていて、オリジナリティになっている。地域ならではの課題を解決する技術が、今までは東京を介して世界に発信されていたかもしれないが、これからは、釜石から同じような課題を抱えているグローカルな世界に広がっていく可能性がある」と稲見教授は語りました。
杉山所長は、すでに存在する科学と技術を地域ならではの取り組みや課題解決のために実証をしていき、地域で人とつながることで大いなる新しい科学技術を産むことになる可能性について話をしました。

「海と希望の学園祭 in Kamaishi」の会場には、先端研のPVビデオを流したりパンフレットを設置したりするブースが設けられ、その向かい側に先端研の客員上級研究員でアーティストの鈴木康広氏の作品「空気の人」が飾られました。

  • 鈴木康広氏の作品「空気の人」
  • 会場に飾られた鈴木康広氏の作品「空気の人」
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