1971年3月
北海道大学大学院工学研究科電子工学専攻修士課程修了
1971年10月
北海道大学応用電気研究所(メディカルエレクトロニクス部門)助手
1984年4月~1985年2月
スタンフォード大学客員助教授(在外研究員)
1989年4月
北海道大学応用電気研究所(現:電子科学研究所)教授
2002年7月
東京大学先端科学技術研究センター教授
2009年4月
東京大学先端科学技術研究センター特任教授
本分野では「聞く」「話す」「見る」ための機能や「手足」の機能が衰えたり失ったりした人達を技術で支援する福祉工学研究を行っている。具体的には、聴覚障害者のために(1)声を文字にして見せる「音声自動字幕システム」と(2)声を触覚を介して伝える「タクタイルエイド」、発声障害者のために(3)失われた声を機械の助けで作る「人工音声生成」、視覚障害者のために(4)文書を音声と触覚で高速に伝える「触覚ジョグダイアル」と(5)障害物を立体音で知らせる「音響バーチャルリアリティ」、さらに弱った手足の補強やリハビリテーションのための(6)水素で動かすウェアラブルな「MH(水素吸蔵合金)アクチュエータ」などの開発研究を進めている。なお、上記の音声情報工学を生かしたものとして、100年前にロウ管(蝋でできた円筒形の録音媒体でエジソンの発明による)に録音された日本人による歌や語りを再生する技術を開発し、再生された音声を信号処理で修復する研究も行っている。
これらに共通する研究アプローチは次の3段階からなる。(a)ヒトの五感や手足の機能あるいは九官鳥やコウモリなど特殊な能力を持つ動物の機能を生体計測や心理物理計測に基づいて調べる「基礎研究」。(b)得られた基礎データから未知の機能について仮説を立て、その仮説に基づいて福祉機器を設計する「開発研究」。ただし、実際に適用して未だ問題があれば(a)に戻る。(c)得られた知見や開発された技術をバーチャルリアリティやロボットの人間中心インタフェースに生かす「応用研究」。ここで、応用技術が福祉技術に活かされそうであれば(b)に戻る。本研究センター内にあるオープンラボのバリアフリープロジェクト(通称)で機器の評価を行い、五感情報通信プロジェクト(通称)と共に応用研究を進めており、五感情報とバリアフリーを結ぶ文理融合研究である。また、これらの研究開発は全て産学連携によって進められている。