物質のもつ化学エネルギーを高効率で取り出す電池材料、エネルギーを有効に用いて情報の変換・記録を行う強誘電体材料などを対象にして、新規機能・材料の設計と創製、機能発現機構、材料創製のための化学プロセシングに関する研究を行っている。現在は以下の研究課題について研究を進めている。
- 中温作動型燃料電池と材料開発
現在の低温用ポリマー電解質燃料電池や高温用固体酸化物型燃料電池では利用が難しい、それらの中間温度領域(150~600°C)で作動する燃料電池のための材料開発を行っている。無機材料(酸化物水和物)と耐熱性ポリマーの複合プロトン伝導性固体電解質、および単室型構造酸化物燃料電池(燃料・空気混合ガス使用)の形成とその酸化物電極の開発・評価を進めている
- 高出力電気化学スーパーキャパシタ用電極材料
高容量と高速の充放電特性を兼ね備えた電気化学スーパーキャパシタを実現するための、その電極材料の設計、開発を行っている。リチウムイオンが挿入脱離する活物質とカーボン粒子・繊維との高表面積・多孔質の複合体の形成、およびチタン酸などの層状構造体を層間剥離・再構築することにより得られるナノシートの電極材料への応用を試みている。
- 欠陥エンジニアリングによる非鉛強誘電・圧電材料の開発
結晶格子の不完全性である格子欠陥を積極的に導入・利用する「欠陥エンジニアリング」と、育成した単結晶を用いた機構解明・物性評価により、有害な鉛を含まない高機能な強誘電・圧電材料の開発を行っている。残留分極が著しく大きいビスマス系強誘電体や、圧電歪み特性が著しく優れた非鉛圧電体の実現を目指している。
- ナノ領域における誘電特性の評価
プローブ顕微鏡を用いたナノ領域の誘電特性の評価を行っている。プローブ探針を用いて数十nmの領域に電界を印加して探針のたわみ・ねじれ信号を測定することにより、局所的な強誘電物性情報が得られる。原子レベルの構造と特性との関係を調べることにより、誘電材料の設計開発指針を確立することを目指している。