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先端研旬報 RCAST Report

“ヒマラヤ”への一歩
ネパールの視覚障害者向けにスクリーンリーダーを共同開発

  • ネパールでのワークショップの様子

巖淵守准教授(支援情報システム分野)らの研究グループは、ネパール語の読み取りが可能なスクリーンリーダー*1を開発しました。元となったのは、英マンチェスター大学のPaul Blenkhorn教授*2が開発したスクリーンリーダーで、そこに搭載されていたネパール語に非常に近いヒンディー語に手を加える形で開発が行われました。ネパール語の発音の問題やすべてのフォントに対応するかなど、今後の検証が必要な部分もありますが、現時点では問題なくネパール語のテキスト情報を読み上げることができます。

先般、巖淵准教授らはネパールを訪問。現地の視覚障害者支援団体であるNAWB (Nepal Association for the Welfare of the Blind) *3と共にワークショップを行い、障害当事者を含め約70名の参加がありました。また、4台のラップトップ型リサイクルパソコンが先端研から持ち込まれ、うち3台は各地の学校にそれぞれ寄附されました。

ネパールには現在、約20万人の視覚障害者がいるといわれています。社会参加ができずに苦労している方々がいる一方で、普通学校で教える全盲の教員が300名を越えるという、世界の福祉先進国にも勝るネパールのバリアフリー化の一面も存在します。巖淵准教授は今後、このスクリーンリーダーが教育現場はもちろん、職場や研究の場でも広く視覚障害者支援に用いられることを期待していると次のように述べています。「これは多くの人の目標となる山々を含む”ヒマラヤ山脈”へ向けての第一歩に過ぎません。こうした障害のある人に役立つ技術を、ネパール語をその出発点として、私たちはさらに様々な言語、特にマイノリティ言語に対応させる方法についての研究開発を進め、普及に向けたグローバルな支援を行い、山々をつないでいきたいと考えています」

*1 スクリーンリーダー:全盲の方向けの画面読み上げソフト
*2 Paul Blenkhorn:英国にあるマサチューセッツ大学の名誉教授(支援技術)。先端研にも客員教授として滞在経験あり。
*3 NAWB:Nepal Association for the Welfare of the Blind ネパール盲人福祉協会。 視覚障害者のリハビリテーションために1985年に設立されたネパール王国における全国レベルの非政府組織(NGO)

関連報道
外部リンク
現地新聞"Republica"(発行部数15,000部)
"Thunder increases access of blind to computer"

(2010年8月2日)

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