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過去の情報を保存するだけではなく、自己と他者の過去の経験から学び、未来に活かすための、新しいアーカイブのあり方はどうあるべきか。「時間のつる草」は新しい「アーカイブとアーカイブを操作するユーザインタフェース」のプロトタイプです。
我々は、過去から未来へ流れる時間をどうやって可視化するかについて考えました。例えば、アーカイブの代表例である年表の時間軸は直線です。これに対して別のモデルを提示したいと考えました。
1年は12の1ヶ月の繰り返し、1ヶ月は4つの1週間の繰り返し、1週間は7つの1日の繰り返し、というように、時間には単位毎に周期性があります。我々はこのことに着目し、時間軸を「らせん」であらわそうと考えました。そしてユーザインタフェース。モチーフは、らせんから連想して、植物のつる草を選びました。
構築したユーザインタフェースは、時間軸である「つる」に、その時起きたことの記録(写真や動画など)が葉っぱのようにくっつくというものです。ユーザは、年、月、週、日、時間と入れ子になったつる草をほどくことができ、そのとき何が起きたかを閲覧することができます。らせんを拡大、縮小し、時間単位を移動する体験を通し、記録と記録のあいだの予期せぬ関係性が視覚的に浮かんでくることを期待しています。
「つる草」を導いた、時間単位の周期性モデル図
では、情報として何を格納するか。折りしも2006年3月は、先端研の「戦略的研究拠点育成」事業が終了するタイミング。そこで「時間のつる草」へ先端研のこの5年間をアーカイブ化することに取り組みました。先端研の研究室ではどのように時間が流れたのか、研究者はどのような時間の使い方をしたのか。研究室で記録されたスケジュール、写真、動画に加え、新たにキャンパス内の風景、研究室内の様子、研究者の視点、研究者の回想をデータ化し格納しました。
今回の展示用に格納されたデータは以下の通りです。
研究室で記録されたスケジュール
研究室で記録された写真や動画
ウェアラブルコンピュータで記録した研究者の1日
ビデオカメラで記録した研究室の風景や研究者の様子
ビデオカメラとテキストで記録した研究者の回想
全方位カメラで撮影した先端研構内や教授会の様子
3月9日10時-17時30分まで、総合研究実験棟2Fのホワイエに展示されました。
時間のつる草は、人が経験したこと全てを記録に残すというライフログの考え方をベースにしています。3月9日の展示で格納できた情報はまだごく一部ですが、今後、自動で容易に記録を残せる仕組みを追加し、さらに充実したものにしていく予定です。また、今後の研究課題として、時間だけでなく空間も含めたアーカイブ化にも取り組んでいく予定です。
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