研究者一覧

  • シニアリサーチフェローSenior Research Fellow
  • 油谷 浩幸ABURATANI Hiroyuki
  • 社会連携研究部門 ゲノムサイエンス&メディシン
  • ゲノムサイエンス&メディシン 分野

略歴

1980年 3月 東京大学医学部医学科卒業
1980年 6月 東京大学医学部付属病院内科 研修医
1983年 9月 東京大学医学部第三内科 医員
1988年 1月 東京大学医学部付属病院第三内科 助手
1988年 8月 マサチューセッツ工科大学癌研究センター 研究員
1995年 1月 東京大学医学部付属病院第三内科 助手
1999年 3月 東京大学大学院工学系研究科 助教授
2001年 9月 東京大学先端科学技術研究センター 教授
2002年 4月 東京大学国際・産学共同研究センター 教授
2006年 4月 東京大学先端科学技術研究センター 教授
2021年 4月 東京大学先端科学技術研究センター シニアリサーチフェロー

研究分野

ゲノムサイエンス
次世代シーケンサーやマイクロアレイ解析を用いて包括的に取得したゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームなどの多重な生命情報を統合することによって、生命現象とりわけ癌などの疾患をシステムとして理解することを目指しています。大量情報処理は生命科学が直面する大きな課題であり、計算生物学研究者との連携が必須であり、両者の融合した研究環境作りを目指しています。

1)パーソナルゲノム
次世代シーケンシング技術の進歩は個人のゲノム情報を決定することを可能にしました。とりわけ、がん細胞のゲノムには多くの遺伝子変異が蓄積しており、癌遺伝子の活性化や癌抑制遺伝子の不活化をもたらすことが細胞の癌化、悪性化につながると考えられます。症例毎に生じる遺伝子変異は異なるため、肝細胞癌や膵臓癌の遺伝子変異を同定し、発癌メカニズムの解明を目指しています。

2)エピゲノム解析
幹細胞から成熟した細胞への分化プロセスとはエピゲノム情報の変化に他なりません。エピゲノムとは塩基配列の変化は伴わず、DNAメチル化やヒストンアセチル化、メチル化など後天的に加わった化学修飾によって形成される「細胞レベルの記憶」といえます。エピゲノム情報は細胞分裂を経ても安定的に保持される一方、細胞分化、疾患、外界からのストレスによってダイナミックに変動することから、次世代シーケンシング技術により、クロマチン免疫沈降、DNAメチル化、クロマチン相互作用、non-coding RNAについて包括的解析を進めています。

3) トランスレーショナル研究
がん細胞ゲノムに生じた遺伝子変異やエピゲノム変異は正常細胞には存在せず、がん細胞のみが保有することから癌治療の分子標的、診断マーカーとして注目されており、次世代シーケンサーを用いた変異解析やトランスクリプトーム解析によって新たな創薬標的分子の探索を進めています。
がん細胞を選択的に攻撃するために、がん細胞に高発現する細胞表面分子に対して細胞障害性モノクロナル抗体を作成し、医薬品開発へと展開しています。

関連情報

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