研究者一覧

  • 教授Professor
  • 中井 遼NAKAI Ryo
  • 附属 エネルギー国際安全保障機構
E-mail
nakairyog.ecc.u-tokyo.ac.jp

略歴

2008年10月 外務省国際情報統括官組織 専門分析員
2009年 4月 早稲田大学大学院経済学研究科 研究助手
2010年 4月 日本学術振興会 特別研究員
2012年 4月 早稲田大学政治経済学術院 助手
2012年12月 早稲田大学大学院政治学研究科 博士後期課程修了
2014年 4月 立教大学法学部 助教
2016年10月 北九州市立大学法学部 准教授
2022年 4月 北海道大学スラブ・ユーラシア研究所 客員准教授(~2023年3月)
2024年 4月 東京大学先端科学技術研究センター 教授

研究分野

民主的プロセスとナショナリズムの相互関係についての比較政治研究に従事しています。比較政治学者はしばしば地域研究者と実証政治学者の2つの顔を持ちますが、前者としてはヨーロッパ特にバルト諸国の国内政治・国際政治の研究を行い、後者としては選挙・世論・政党・帰属意識・排外主義などに関する研究に取り組んできました。

バルト諸国はヨーロッパとロシアの狭間にあって,国民統合、市民権、エネルギー安全保障、EUやNATOとの関わり等のテーマが政治・外交上の重要争点になっています。近年は、認知領域での戦いやフェイクニュース対策の先進事例としても着目も集めています。これらの国の国内外政治に関する基礎研究は、近年注目される政策課題の背後にある政治的文脈と歴史を理解するために不可欠です。

ナショナリズムに関する政治意識の実証研究は昨今目覚ましい蓄積がありますが、私は近年特に環境/グリーンナショナリズムに関する計量分析に焦点を当てて新しい研究を進めています。サーベイや実験を通じて、人々の政治意識がどのように連動し、どの枠組みによって認識が影響を受けるかを理解することは、現実の政治メカニズムにおける世論や政治対立の影響を解明することに繋がります。

政策は技術的合理性のみによって決定されるものではありませんが、感情や権力によって無秩序に決定されるわけでもありません。政策を決める政治の領域にも、体系的なメカニズムや因果関係が存在し、それは科学者コミュニティを通じて知見を蓄積できる分野であることを意味します。その実証研究と知見の蓄積に貢献することがミッションです。それはまた、実証分析だけでは語り尽くせない、未来に対する人間の意志や決断によって定まる領域を明らかにすることにもつながるはずです。

受賞

  • 2020年 5月 日本比較政治学会 奨励賞
  • 2021年11月 サントリー学芸賞(政治・経済部門)

キーワード

比較政治学、東欧・バルト諸国、世論、ナショナリズム

関連情報

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