研究者一覧
- 教授Professor
- 中村 泰信NAKAMURA Yasunobu
- 量子情報物理工学 分野
- yasunobuap.t.u-tokyo.ac.jp
- Tel
- 03-5452-5075
- FAX
- 03-5452-5075
- URL
- URL
-
2023 Research Book (PDFファイル:1.2MB)
略歴
1992年 4月 | 日本電気株式会社基礎研究所研究員 |
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2001年 9月 | デルフト工科大学客員研究員(~2002.08) |
2002年 9月 | 理化学研究所客員研究員兼任 |
2005年 6月 | 日本電気株式会社基礎・環境研究所主席研究員 |
2012年 1月 | 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻教授 |
2012年 4月 | 東京大学先端科学技術研究センター教授 |
2014年 2月 | 理化学研究所創発物性科学研究センターチームリーダー兼任(~2020年9月) |
2020年10月 | 理化学研究所創発物性科学研究センター グループディレクター兼任 |
研究分野
20世紀前半に確立された量子力学は現代物理学の根幹をなすものであり、現代社会におけるその影響の大きさは計りしれない。20世紀後半はその応用が大きく花開いた時代である。例を挙げると、原子と光の相互作用の量子論がレーザーの発明につながり、現在の情報通信技術の主役を担っている。固体の量子論は半導体集積回路技術を生み出し、コンピュータの驚異的な高性能化につながった。これだけの発展を経てもなお人類は量子力学の与える可能性の全てを使いこなしているわけではない、というのが1990年代から急速に認知され始めた量子情報科学の観点である。例えば量子力学の基本原理のひとつに「状態の重ね合わせ」というものがある。しかし我々の日常生活において異なる物理的状態の重ね合わせというものを実感する機会はほとんどない。ところが適切に設計された物理系のもとでは、重ね合わせも含めその量子状態を自在に操作し観測することが可能になる。この概念を情報科学に適用することで、量子通信・量子計算など、従来の方式では到達しえない優れた性能を持つ新し い情報処理技術の可能性が明らかにされてきた。
本研究室では、このような量子力学の原理をあらわに活かした新しい情報処理・通信、精密計測などの実現を目指した研究を行っている。特に電子デバイス・光デバイスにおける量子状態の制御・観測に関して物理および工学の側面からの探究を行っている。具体的なテーマとして、(1)超伝導量子回路における巨視的人工原子としての超伝導量子ビットとマイクロ波光子の相互作用の制御に関する研究、(2)異なる量子系の間のコヒーレントなインターフェースとなる複合量子系の研究、などに取り組んでいる。
受賞
- 1999年 9月 応用物理学会講演奨励賞
- 1999年11月 サー・マーティン・ウッド賞
- 1999年12月 仁科記念賞
- 2003年 4月 TR100, Technology Review Magazine, MIT
- 2004年 7月 Agilent Technologies Europhysics Prize
- 2008年 8月 Simon Memorial Prize
- 2014年 6月 2014 Thomson Reuters Highly Cited Researcher
- 2014年11月 江崎玲於奈賞
- 2018年 4月 超伝導科学技術賞
- 2019年 3月 応用物理学会業績賞
- 2020年 9月 アメリカ物理学会(APS)フェロー表彰