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研究について

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研究内容 
DNAの人工塩基対、ついに「複製」も 
新規核酸材料の開発 
特任教授 平尾 一郎

「二重らせん」から30年

遺伝子研究にめざめたのは19歳のとき。とある先生に勧められて、ワトソンの書いた『二重らせん』を読んだ。すでに高等専門学校で有機合成の手法を学び始めていた平尾教授は、化学的に合成することによってDNAにかかわるメカニズムを解明していこうと決意した。それから30年。現在は先端研と理化学研究所を行き来しながら研究をつづけている。

そろそろ「第2アシロマ会議」を

平尾先生の写真

地球上のすべての生物は、細胞の核の中にDNAをもつ。4種類の塩基が対になって、二重のらせん構造で連なっている。平尾教授は、まったく新しい塩基対を人工的に合成することを試みてきた。DNAに組み込まれた塩基対が十分に機能するには、3つの過程を実現する必要がある。細胞分裂におけるDNA自身の「複製」に加えて、その遺伝情報によってmRNAが合成され(「転写」)、そしてmRNAが核の外にでて、たんぱく質が合成される(「翻訳」)。

説明図

2002年の段階で平尾教授のグループは、試験管内で人工的に新たな塩基対を合成し、世界ではじめてmRNAへの「転写」、たんぱく質への「翻訳」までを成功させた。そしてこの2005年の夏、ようやく「複製」と「転写」とを実現する塩基対を作ることができた。「複製」が可能になったことによって、いよいよ試験管だけではなく、細胞内でその過程をみることができる可能性がでてきた。

それだけに、倫理的な問題について整理しておかなければいけない。遺伝子組み換え技術のガイドラインのきっかけとなった1975年の「アシロマ会議」からすでに30年、そろそろ第2アシロマ会議が必要な時期だという。「いま研究は日本のほうが進んでいるのだから、積極的に発言できるでしょう。」

理詰めではできないことを

今回の成功のきっかけとなったのは、6月に起きたちょっとした失敗。あるスタッフが、予想していなかった化合物を偶然作ってしまった。それを試しに使ってみたら、うまくいった。
ここまで高度な研究でも偶然が作用することに平尾教授自身も驚いたが、こうしたことは学生時代から何度も遭遇してきたことだった。「理詰めは誰でもできます。突然見つかるものは誰も考えつかないものだからこそおもしろいんです」。

旅行の様子

次は、最終目標の「複製」「転写」「翻訳」の全てで動く人工塩基対を作ること。「10回失敗して1回成功するくらいの気持ちでやっています」。研究室では再び試行錯誤の日々が始まっている。

夏の成果をうけて、11月には初めての研究室旅行で一時の休暇を楽しんできた。

インタビュアー:住田 朋久

(2005年10月25日)

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