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研究内容 エコ型エネルギー:次世代太陽電池を研究する エネルギー環境 教授 瀬川 浩司

「自然に学ぶものづくり」でめざす次世代太陽電池

太陽光発電は、現代の化石燃料依存社会から脱却するために無くてはならない技術です。ところが、現在製品化されている太陽電池にはとても高価な高純度シリコンが使われていて、製造過程で消費するエネルギーも少なくないことから、なんとかシリコンを使わずに太陽電池を作ることができないかと多くの研究者が考えています。そこで登場したのが、色素と酸化チタンと電解液でつくる「色素増感太陽電池」です。色素増感太陽電池は、光励起された色素が電子移動することによって光エネルギーを化学エネルギーに変換しており、生物の光合成とよく似た機構を備えています。その意味で、自然に学ぶものづくりになっていると同時に、環境に配慮したエネルギーの生産方法になっています。また、色素増感型太陽電池は、使う色素によって色鮮やかにしたり、やわらかいプラスチックを使うことでフィルムにしたりできるため、従来の太陽電池の「黒い、堅い、重い」といったイメージを一新するものとして高い期待が集まっています。

色素増感太陽電池のルーツは酸化チタンの光触媒反応

色素増感太陽電池は、1960年代から研究されてきた湿式太陽電池が原型となっています。特に、酸化チタンの光電気化学反応で、水を分解し酸素と水素を発生させる「本多・藤嶋効果」が発見され、光エネルギー変換の基本的原理が示されたことが一つのマイルストーンになっています。本多・藤嶋効果は、現在一般家庭にも普及するようになっている「光触媒」を生み出しました。一方、湿式太陽電池についてはあまり研究が進んでいませんでした。当時の湿式太陽電池は大量の電解液を使用しており、エネルギー変換効率も大変低く、とても実用的な太陽電池になるとは考えられなかったのです。こうした中で、酸化チタンの表面に色素をつけて可視光を吸収させ、エネルギー変換効率をあげるなどの工夫がなされていましたが、1991年にスイスのグレッツェル氏(Michael Gratzel)が酸化チタンのナノ粒子焼結体を用いた色素増感型太陽電池で7%を超えるエネルギー変換効率を達成し状況は一変しました。この成果をきっかけに世界中で盛んに研究が行われるようになり、大型の色素増感太陽電池モジュールが作られたり、高効率化や耐久性向上をめざしたさまざまな研究開発が進められています。

光をあてると電気が「たまる」太陽電池ができた!

太陽電池のもう一つの問題は、普通の乾電池や蓄電池と違って電気が貯められないことです。つまり太陽電池は光が無いところでは使えませんし、負荷がないときに吸収した光エネルギーは無駄に捨てられてしまっているのです。そこで私は、色素増感太陽電池の内部に電子を貯めることのできる導電性高分子電極を組み込み、三極式の「エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池」を開発し、世界で初めて太陽電池に蓄電機能をもたせることに成功しました。三極式にすることで、負荷が無いときには吸収した光エネルギーは「光充電」に使われます。この電力をつかって、暗所でも電力を出力することが可能な太陽電池ができたのです。これは、光で充電し暗所で出力する大面積光蓄電型太陽電池(住宅用、自動車、非常用予備電池など)、軽量かつ安全で場所をとらないプラスチック太陽電池(携帯電話、携帯ラジオ、モバイルPC、カメラなど)ほか、幅広い用途が見込まれています。

光をあてて太陽電池出力しファンを回しながら余剰電力を太陽電池内部に蓄電している。

蓄電した電力を暗時に使用してファンを回すことができる。

産学官連携で世界をリードする研究グループを組織する

エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池の研究は2002年ごろからスタートし、最初の発表は2003年に行いました。まだまだ基礎研究の段階です。本格的に実用化を進めるには数々の技術的課題を乗り越える必要があります。現在、先端研とのトライアル連携を進めている新日本石油株式会社から特任助教授を派遣していただき、その他のいくつかの企業とも共同研究を進めています。また、文部科学省、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、JST(独立行政法人科学技術振興機構)等から研究資金をご提供いただき、スタッフを充実させ、この分野で最強の研究チームを組織しつつあります。近い将来の実用化に向けて、さらに研究を進めていきたいと考えています。

聞き手:小関珠音

(2006年9月19日)

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