講演概要
国際・産学共同研究センター紹介
国際・産学共同研究センター 教授/センター長 安田 浩(やすだ ひろし)
わが国の産業技術力の強化と経済の持続的な発展には創造性のある研究及び開発と成果の事業化の促進が必要であると考えられる。国際・産学共同研究センターはこのような社会的要請をふまえて東京大学が産業界等との共同研究や技術移転を通して積極的に社会に貢献することを目的に1996年に設立された。講演では設立趣旨を振り返り、産学連携提案テーマデータベースの構築、産学連携およびインキュベーションプロジェクトの推進、産学連携の専門家の育成、国際的な連携活動など、現在重点的に行っている活動の状況を紹介する。また、今後の活動の方向についても論じる。
講演者略歴:1967年、東京大学工学部電子工学科卒業。1972年、同大学院博士課程修了(工学博士)。同年日本電信電話公社(現NTT)入社。1997年NTT退職後は、東京大学教授。国際・産学研究共同センターおよび先端科学技術研究センター所属。2003年4月より国際・産学共同研究センター長。専門は超高速通信網及びその応用、インターネット及びその応用、画像処理・画像符号化・知的財産権保護技術の研究ならびに感性工学研究。第50回米国エミー賞(技術開発部門)受賞。主要著書「ポイント図解式標準インターネット教科書」(アスキー出版、1996)「MPEG教科書」(アスキー出版、2003)
CCRにおける産学連携活動の展望
国際・産学共同研究センター 教授 相澤 龍彦(あいざわ たつひこ)
国際・産学共同研究センターは、多種多様な共同研究が経営されている発信型研究開発のメッカである。特に国際的な展開を含めた研究拠点構想、ベンチャー指向型産学連携、パートナーシップによる国際共同研究など、個性豊かなプロジェクトが特色となっている。CCR構成メンバーによるITセキュリティー、ITSなどのプロジェクト化を例にしながら、これからのCCRが発信する国際的研究推進コンセプトを紹介するとともに、学外に向けての研究ネットワークを拡充する研究者データベースの現状、さらに各地方自治体から派遣されるリエゾンフェローを通じての地道な産学連携活動などを説明する。また新しい視点からのMOT教育の取り組みとして、情報社会のセキュリティー教育、金型知財化に向けた技術戦略などのアプローチにもふれる。
講演者略歴:東京大学国際・産学共同研究センター・教授。昭和 27年7月27日生。昭和55年〜56年東京大学宇宙航空研究所・助手、昭和56年〜60年東京大学教養学部基礎科学科・助手、昭和60年〜61年同・講師、昭和61年〜平成9年東京大学工学部金属工学科・助教授、平成9年〜12年同・教授、平成12年〜東京大学先端科学技術研究センター・教授。この間、非線形力学、複合材料設計、極限物質プロセス、極限環境プロセス、マテリアル加工学、固相合成プロセス、表面材料プロセス 高信頼性材料などの研究に従事。第10回村上記念奨励賞、日本金属学会・功績賞(材料加工分野)、日本塑性加工学会・会田技術奨励賞、日本粉体粉末冶金協会・研究進歩賞、日本金属学会・論文賞(力学分野)、日本粉体粉末冶金協会・研究進歩賞など受賞。著書に「材料プロセス」(朝倉書店)(共著)、「エコマテリアル学」(日科技連)(共著)、「塑性力学」(内田老鶴圃)など。
ITSの事業化に向けた産学連携の新展開
国際・産学共同研究センター 客員教授/ (株)トヨタマップマスター 代表取締役社長 田中 敏久(たなか としひさ)
21世紀の道路交通システムITS(高度道路交通システム)の市場規模は20年間で60兆円と試算されるが、企業の間では事業化の見通しが立たず閉息感が蔓延している。経済停滞、公共事業見直し等もあるが、ITSは多分野にわたる総合融合工学であること、要素技術が多岐にわたり単独企業では実現し難いこと、『学』のシーズと『民』のニーズの不一致等も要因にあると考えられている。そこで、今回、池内克史(画像処理)・桑原雅夫(交通工学)・須田義大(機械工学)教授、さらに民間企業8社が分野を越えて連携し『サステイナブルITSに関する研究』と題して、新しい形の産学連携に取り組むこととなった。産学連携の新しいモデルとして、ITS分野の事業化の効率的展開と新産業創出が期待される。
講演者略歴:昭和41年4月トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車株式会社)入社、昭和41年10月同社元町工場工務部、堤工場工務部で生産管理業務を担当、昭和48年10月同社第1購買部で部品購買業務(電子・電気、内装等)を担当、昭和58年2月同社第4車両部で国内販売業務(北陸・北関東・大阪)を担当、平成2年2月日本移動通信株式会社(IDO)出向企画部長・営業部長、平成8年7月道路・交通・車両インテリジェント化推進協議会(VERTIS)出向、専務理事・事務局長、平成13年6月ITS Japanに呼称変更、専務理事・事務局長、平成14年6月株式会社トヨタマップマスター代表取締役社長。
情報セキュリティの今
国際・産学共同研究センター 客員教授/ NTTデータ ビジネス開発本部 部長 林 誠一郎(はやし せいいちろう)
情報通信セキュリティの重要性は今や論を待たないところでありますが、人材育成やセキュアシステム構築手法の確立が大きな課題となっているところです。このため、CCRを中心に組織された「情報・通信セキュリティ教育と認証」プロジェクトでは、「教育」・「研究」・「起業(ビジネス化)」の3本柱を掲げ、セキュリティ教育の体系的な創生とセキュアシステム構築の新しいコンセプトであるハザード・トレランス・システムについて提案していくこととしています。本講演ではプロジェクの今後の展開と新コンセプトの概要について紹介いたします。
講演者略歴:1973年上智大学大学理工学部卒業後、電電公社電気通信研究所にて超高信頼度計算機技術、暗号基盤技術、ハイセキュア電子現金技術などの研究に従事。その後NTTデータにてセキュリティ技術の研究・開発に従事。この間暗号通信の普及・促進に務め、郵政省、通産省、科学技術庁、特許庁、警察庁等のセキュリティ関連委員会に委員として参画し、行政施策の草稿等に尽力。また、情報処理学会において、セキュリティ研究会の立上げに加わる。現在日本インターネット決済推進協議会理事として安全な電子取引の普及を推進中。2003年より東大国際産学共同研究センタ客員教授。
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