RCAST NAVI:第85号

  • お知らせ

2014年12月26日

RCAST NAVI vol.85
2014年12月
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/

様々な出来事があった2014年も、あと数日。
今年最後の先端研の最新情報をお届けします。

【主な内容】
1. プレスリリース
昆虫の匂い源探索を担う神経回路を解明 ほか

2. 活動報告
異才発掘プロジェクト「ROCKET」開校 ほか

3. イベント
第7回 革新的太陽光発電国際シンポジウム


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【Press Release】‐プレスリリース‐
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2014年12月23日
昆虫の匂い源探索を担う神経回路を解明

神崎亮平教授(生命知能システム)および並木特任助教(当時)らの研究グループは、昆虫の脳内においてフェロモンの匂い情報を処理する経路を特定し、匂い情報が脳内に入り行動を起こす情報に変換されるまでの全過程をはじめて明らかにしました。ファーブルがオスのガがメスの匂い(フェロモン)に魅了されてメスを探索する行動について「昆虫記」に記述して以来、約120年の時を経てその脳のしくみの一端が解明されました。

論文タイトル:Information flow through neural circuits for pheromone orientation(フェロモン源探索を担う神経回路における情報の流れ)
論文掲載:Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)
http://www.nature.com/ncomms/2014/141223/ncomms6919/full/ncomms6919.html

東京大学プレスリリース
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_261223_j.html

2014年12月5日
小型イオン推進システムの宇宙作動実証に成功
~100 kg以下の小型衛星における世界初のイオンスラスタ作動~

小泉宏之 准教授(数理創発システム)と次世代宇宙システム技術研究組合が共同で開発を進め、ロシアのヤスネ基地から2014年6月19日19:11(UTC;日本時間20日午前4:11)に打ち上げられた超小型衛星「ほどよし4号」に搭載の小型イオン推進システム(MIPS:Miniature Ion Propulsion System)が、宇宙での初作動に2014年10月28日成功しました。
現在、「ほどよし4号」において小型イオン推進システムの初期運用を行っています。
東京大学プレスリリース
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_261205_j.html


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【Report】-活動報告-
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■トピックス■

URLのあるトピックスは、先端研ウェブサイトで詳細をご覧いただけます。

◇2014年12月15日 台湾工業技術研究院が福島研究室を訪問人をサポートする技術、安全に関する技術などについての研究成果視察のため、台湾より台湾技術研究院10名が福島研究室を訪問しました。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2014/1226_ja.html#1215

◇2014年12月13日 ひらめき☆ときめきサイエンス開催
日本学術振興会委託事業「ひらめき☆ときめきサイエンス−ようこそ大学の研究室へ−」の「ロボットで探る昆虫の感覚と脳と行動の不思議」が神崎研究室(生命知能システム)にて開催されました。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2014/1226_ja.html#1213

◇2014年12月11日 島根県立浜田高等学校が先端研リサーチツアーに参加
今年最後のリサーチツアーで島根県立浜田高等学校が先端研を訪れ、MEMSの研究を行う年吉研究室(極小デバイス理工学)と昆虫ロボットでおなじみの神崎研究室(生命知能システム)を見学しました。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2014/1226_ja.html#1211

◇2014年12月10日 異才発掘プロジェクト「ROCKET」開校
異才を発掘し継続的にサポートすることで、将来の日本をリードしイノベーションをもたらす人材を養成する異才発掘プロジェクト「ROCKET」の開校式が先端研にて行われました。当日は、約600人の応募者の中から選ばれた異才の子どもたち15名に、高橋 智隆 特任准教授(人間支援工学)によるトップランナー講義も行われました。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2014/1226_ja.html#1210

◇2014年12月5日 駒場リサーチキャンパス・冬の環境整備
夏と冬の年2回行われる駒場リサーチキャンパスの大掃除。敷き詰められた黄金色の銀杏の葉を、研究者、学生、職員が一体となってきれいに。参加者には西村 幸夫 所長よりあたたかい飲み物のプレゼントがありました。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2014/1226_ja.html#1205

■研究成果■

◇神崎 亮平 教授(生命知能システム)らによる、昆虫の脳内においてフェロモンの匂い情報を処理する経路を特定し、匂い情報が脳内に入り行動を起こす情報に変換されるまでの全過程をはじめて明らかにした論文「Information flow through neural circuits for pheromone orientation」が、オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載されました。

論文掲載:Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)
http://www.nature.com/ncomms/2014/141223/ncomms6919/full/ncomms6919.html

◇神崎 亮平 教授(生命知能システム)および藤原 輝史さん(大学院情報理工学系研究科、当時)をはじめとする研究グループによる脳神経回路の匂い濃度の効率的なコーディングについての論文 "Odorant concentration differentiator for intermittent olfactory signals"が"The Journal of Neuroscience"に掲載されました。

論文掲載:The Journal of Neuroscience
http://www.jneurosci.org/content/34/50/16581.short

◇浜窪 隆雄 教授(計量生物医学)のグループは、生理学研究所の深田 正紀 教授および深田 優子 准教授をはじめとする研究グループとの共同研究により、遺伝性てんかんのひとつである常染色体優性外側側頭葉てんかんの原因が、タンパク質の構造異常に基づくことを見出しました。

論文掲載:Nature Medicine
http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/full/nm.3759.html

◇年吉 洋 教授(極小デバイス理工学)は東京工業大学異種機能集積研究センターの益 一哉 教授、山根 大輔 助教、町田 克之 連携教授およびNTTアドバンステクノロジと共同で医療用人体行動検知センサとして有用な加速度を超広域・高分解能で検知可能なMEMSセンサを開発しました。

東京工業大学ニュース
http://www.titech.ac.jp/news/2014/029271.html

■テレビ・ラジオ出演■

◇西成 活裕 教授(数理創発システム)がNHK総合『マサカメTV』年末年始ドライブ必勝法(2014年12月20日放送)で年末の高速道路渋滞について解説
http://www4.nhk.or.jp/masakame/x/2014-12-20/21/32624/

◇牧原 出 教授(政治行政システム)がNHK総合『視点・論点』(2014年12月19日放送)に出演し、有権者の選択とこれからの政治について解説
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/206100.html

■新聞掲載■

2014年12月23日【日本経済新聞】朝刊
◇イオンエンジン 小型衛星で動作
小泉 宏之 准教授(数理創発システム)

2014年12月11日【読売新聞】朝刊
◇東大「異才教室」ー 異才発掘プロジェクト
中邑 賢龍 教授(人間支援工学)

2014年12月4日【日経産業新聞】朝刊
◇4ミリ角の加速度センサー
年吉 洋 教授(極小デバイス理工学)

2014年11月26日【産経新聞】朝刊
◇視座14衆院選 党内外に対抗勢力
御厨 貴 客員教授(情報文化社会)

■オンライン■

2014年12月17日・24日【日経ビジネスONLINE】
◇「IoTは日本企業にとって大きなチャンス」(12月17日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20141216/275230/?rt=nocnt
◇「スマート化で、日本の未来を明るいものに!」(12月24日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/jagzy/20141106/273505/
◇ 森川 博之 教授(情報ネットワーク)

2014年12月8日【サイエンスポータル】
◇「超小型衛星でイオンエンジンの作動実証」
◇ 小泉 宏之 准教授(数理創発システム)
http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2014/12/20141208_03.html

■雑誌掲載■

2014年12月10日【サライ】著者に会いたい
◇「昆虫の脳の仕組みを解明し、工学や医学に役立てたい」
神崎 亮平 教授(生命知能システム)

2014年12月【月刊Journalism 12月号】2014政治報道を読む
◇「小さな変化を読み取りながら大きな流れを理解していく。そのためには想像力も必要」
牧原 出 教授(政治行政システム)

2014年11月26日 三井住友FG環境情報誌【SAFEVol.108】
◇「サイボーグ昆虫による“匂い”探知が未来を拓く」
神崎 亮平 教授(生命知能システム)

■その他の活動状況は下記URLをご覧ください。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/news/index_ja.html


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【Winning】-受賞-
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2014年12月4日
池内 真志 助教(医用マイクロマシン)が、第41回日本臓器保存生物医学会学術集会において会長賞を受賞。本受賞は先端研と日東電工株式会社,グローバルヘルスケア財団の共同研究契約に基づく成果です。
受賞研究:胚様体の均一・大量生産を実現する培養デバイス“TASCL”の量産化


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【Event】-イベント-
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「第7回 革新的太陽光発電国際シンポジウム」

「革新的太陽光発電技術研究開発」は、2008年より、東京大学先端科学技術研究センター・産業技術総合研究所・東京工業大学が研究拠点となり進めている研究プロジェクトです。第7回となる本シンポジウムでは、日本における産学を含めた太陽光発電研究機関による最先端研究の成果報告を行います。

日程:2015年1月19日(月)・20日(火)
参加費:無料
会場:先端研 3号館南棟 ENEOSホール
お申し込み:下記ウェブサイトより事前にお申し込みください。
締切:2015年1月13日(火)※定員になり次第締切

詳細:第7回 革新的太陽光発電国際シンポジウム ウェブサイト(英語)
http://www.isisc7.rcast.u-tokyo.ac.jp/top.html
 
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