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メナへム・キステル教授(ヘブライ大学)によるユダヤ知恵文学についての連続研究セミナーを開催

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2021年1月12日

  • メヘナム・キステル教授 メナヘム・キステル教授
  • グローバルセキュリティ・宗教分野 池内研究室 では、山城貢司特任研究員をプランナー/コーディネーターとして、国際研究プロジェクト「未来の人文学に向けて:思想研究のための国際研究ネットワーク構築」を推進しています。このプロジェクトの骨子の一つである講義・ワークショップ・研究セミナーシリーズの第1回の催しとして、エルサレム・ヘブライ大学のメナへム・キステル教授(Prof. Menahem Kister)をお招きし、10月26日と11月2日の2回にわたり、ユダヤ知恵文学に関する研究セミナーをオンラインで開催しました。本研究セミナーには聖書学・ユダヤ学の分野における日本の代表的な研究者が8名参加し、ユダヤ知恵文学の代表的な作品の一つであるシラ書の詳細なテキスト講読に沿いながら、メナヘム・キステル教授との間に専門的な議論が集中的に交わされました。

    シラ書は倫理的教訓をはじめとして、多彩なテーマを扱っていることで知られています。本研究セミナーでは、「シラ書16:26−17:23 および平行箇所を巡って:人間観・神学・聖書解釈」をテーマに、創世記1−3章の語り直しが行われているシラ書16:26-17:23の綿密な読解を通じて、同書の人間観・神学・聖書解釈に光を当てることが目指されました。研究セミナーの大部分は、Michael Segalによって再構成された同箇所のヘブライ語原文をヘブライ語聖書の様々な箇所と逐一比較しながら読み進めていくことに費やされました。同時に、文献学的に問題のある箇所を中心に、Ziegler校訂のギリシア語テクスト(及びapparatus中の異本)とシリア語テクストが適宜参照されました。その上で、シラ書の背景にある世界観-神・知恵・天使・動物・人間・律法/自然法・イスラエル/異邦人といった宗教的観念の織物-が抽出されました。その際、必要に応じて、シラ書の関連パッセージや古代オリエントの伝統についても言及がなされました。シラ書による創世記1−3章再解釈の問題については、すでにJohn J.CollinsやJean-Sebastian Reyなどによる先行研究が存在していますが、本研究セミナーではそれらを批判的に検討しつつ、聖書解釈としてのシラ書の意義を明らかにすることに精力が傾けられました。最後に、死海写本・第二エノク書・トマスによる福音書・ピュートにおける平行箇所の分析を通じて、シラ書の宗教史的位置づけが議論されました。

【開催概要】
日時:
2020年10月26日(月)午後8時―10時(パートA)
2020年11月2日(月)午後8時―10時(パートB)

講師:
メナヘム・キステル教授(エルサレム・ヘブライ大学 人文学部聖書学科/タルムード・ハラハー学科)

主催:
東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野 池内研究室

共催:
東京大学先端科学技術研究センター 創発戦略研究オープンラボ(ROLES)
東京大学グローバル地域研究機構(IAGS)
GSIキャラバン・プロジェクト「中東国際政治における主要地域大国と域外大国の関係をめぐる実施調査と対話」(代表者:池内恵)

キュレーター:
山城貢司 特任研究員(グローバルセキュリティ・宗教分野 池内研究室)

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