RCAST NAVI:第104号

  • お知らせ

2016年7月28日

RCAST NAVI vol.104
2016年7月
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/

梅雨明けが待ち遠しいですね。
夏といえば蚊。蚊対策に追われる先端研の某建物から、最新情報をお届けします。

【主な内容】
1. プレスリリース
地球温暖化が階段状に進む要因を究明 ~熱帯太平洋は地球温暖化の「ペースメーカー」~
マイクロ波単一光子の高効率検出を実現 −マイクロ波光子を用いた量子通信、量子情報処理へ応用−

2. 受賞
池内 恵 准教授(イスラム政治思想)が第12回中曽根康弘賞優秀賞を受賞
渡邉 宙志 助教(理論化学)が第19回理論化学討論会において優秀講演賞を受賞 ほか

3. 研究成果
岡田 至祟 教授(新エネルギー)と石川県企業との共同研究開発案件が平成28年度「新エネルギーベンチャー技術革新事業」に採択


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Press Release】‐プレスリリース‐
──────────────────────────────────────
2016年7月25日
マイクロ波単一光子の高効率検出を実現
−マイクロ波光子を用いた量子通信、量子情報処理へ応用−

超伝導回路によって構成される超伝導量子ビットは、次世代のコンピュータとして期待される量子コンピュータの最も有力な最小構成要素として注目されています。超伝導量子ビットの制御や状態の読み出しには、その励起エネルギーに近いマイクロ波が用いられます。 マイクロ波の“量子”であるマイクロ波光子の高効率検出や生成といった基盤技術は、量子コンピュータの早期実現やマイクロ波量子光学の発展に貢献すると期待されています。しかし、量子暗号通信分野などで用いられる近赤外光子と比較して、エネルギースケールが4~5桁小さなマイクロ波光子の高効率検出は、これまで困難を極めてきました。理化学研究所創発物性科学研究センター超伝導量子エレクトロニクス研究チームの猪股邦宏研究員、東京大学先端科学技術研究センター中村泰信教授、東京医科歯科大学の越野和樹准教授らの国際共同研究グループは、超伝導回路上に「人工Λ(ラムダ)型原子」を実装し、その特性を応用することで、「マイクロ波単一光子」の高効率検出を実現しました。

プレスリリース全文
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/pressrelease/pdf/280725release_rcast.pdf

2016年7月19日
地球温暖化が階段状に進む要因を究明 ~熱帯太平洋は地球温暖化の「ペースメーカー」~

地球温暖化に伴い、地球全域で平均した地表気温は産業革命前から1℃近く上昇しました。しかしこの上昇は一方的な傾向ではなく、20~30年ごとに上昇期と停滞期を繰り返す階段状になっています。 東京大学先端科学技術研究センターの小坂 優 准教授とカリフォルニア大学スクリプス海洋研究所のShang-Ping Xie教授の日米共同研究チームは、熱帯太平洋に起源を持つ気候内部変動が階段状の地球温暖化の上昇期と停滞期のタイミングを決める「ペースメーカー」の役割を果たしてきたことを明らかにしました。また、気候モデルにおいて、歴史気候再現実験で用いる外部強制力に加えて、熱帯太平洋で起こる気候内部変動の時間発展を観測と一致させる熱帯太平洋−全球大気実験により、階段状の全球平均気温変化を再現することに成功しました。さらに、全球平均気温の観測値から熱帯太平洋変動の影響を除去することで、気温変動のうち外部強制力による成分を抽出する手法を提示しました。

プレスリリース全文
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/pressrelease/pdf/280719release_rcast.pdf


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Award】-受賞-
──────────────────────────────────────
2016年7月1日
池内 恵 准教授(イスラム政治思想)が第12回中曽根康弘賞優秀賞を受賞
受賞理由:イスラーム政治思想研究者として、現代の国際社会においてイスラーム教が政治的な集合行動をもたらす過程を研究するとともに、国家、権力、正統性といったイスラーム政治思想の諸概念の理論的・歴史的な解明に取り組む活動等を高く評価
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2016/0726_ja.html

2016年7月8日
渡邉 宙志 助教(理論化学)が第19回理論化学討論会において優秀講演賞を受賞
発表タイトル:「Size-Consistent Multipartitioning QM/MM method」
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2016/0701_ja.html

2016年7月10日
石北研究室(理論化学)所属の河島 圭佑さん(工学系研究科応用化学専攻・M1)が光合成セミナー2016において、特に優秀な発表を行った若手研究者に授与される三室賞を受賞
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/topics/setnws_20160726150519811698298368.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Report】-活動報告-
──────────────────────────────────────
■研究成果■

岡田 至祟 教授(新エネルギー)と石川県企業との共同研究開発案件が平成28年度「新エネルギーベンチャー技術革新事業」に採択

岡田 至祟 教授(新エネルギー)と株式会社アクトリー(石川県白山市)、石川県工業試験場が連携し、共同研究開発を進めている「ハイブリッド太陽エネルギー回収システムのための技術開発」が、平成28年度「新エネルギーベンチャー技術革新事業」に採択されました。東京大学先端科学技術研究センターは、2012年3月に石川県、(公財)石川県産業創出支援機構の三者で連携協定を締結しています。また、2013年より先端研・石川県共同による産学連携支援制度を実施しており、今後も先端研の研究シーズを活用した地域産業活性化に向けた活動を推進してまいります。


■新聞掲載■

2016年7月12日【朝日新聞】朝刊
◇オピニオン&フォーラム 10代・20代・30代の参院選 座談会
佐藤 信 助教(政治行政システム)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12454846.html

2016年7月2日【読売新聞】朝刊
◇中曽根康弘賞 優秀賞に池内氏
池内 恵 准教授(イスラム政治思想)

2016年7月1日【朝日新聞】朝刊
◇角栄とムヒカ 物足りぬ今の政治の裏返し
牧原 出 教授(政治行政システム)

2016年6月30日【毎日新聞】朝刊
◇IS包囲網へ加わり、標的に
池内 恵 准教授(イスラム政治思想)

2016年6月28日【日経産業新聞】
◇進化の扉 バイオミメティクス アリの気持ち、まねてみた
西成 活裕 教授(数理創発システム)

■雑誌掲載■

2016年7月25日【AERA】2016年8月1日号
ゲリラ豪雨多発する日本は「気候のホットスポット」
◇中村 尚 教授(気候変動科学)

2016年7月8日【月刊Journalism】2016年7月号 no.314
◇政治をつかむ:矛盾する発言・政策、チームの綻び 壁に直面した3年半の安倍政治 「新しい局面」へと首相は跳べるか
牧原 出 教授(政治行政システム)

■オンライン■

2016年7月8日【ニコニコ生放送】
◇池内恵 × モーリー 諸悪の根源!? サイクス=ピコ協定
池内 恵 准教授(イスラム政治思想)

2016年7月1日【リクルートライフスタイル】
◇人間は生まれながらにして平等ではない。しかしながらテクノロジーが人を平等にする
中邑 賢龍 教授(人間支援工学)
http://www.recruit-lifestyle.co.jp/lifeshift/ls18232_20160701

■トピックス■

東京大学では、東京大学とソウル大学(SNU)との全学レベルの連携協定締結に伴い、7月18日の週を「SNUウィーク」として各部局で様々な交流活動が行われました。先端研では、7月22日に気候変動科学分野においてSNUのSon准教授をお迎えし、特別セミナーを開催しました。

■その他、最新の活動状況は下記URLをご覧ください。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/news/index_ja.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Event】-イベント-
──────────────────────────────────────
■DO-IT Japan 10周年記念一般公開シンポジウム「DO-IT Japanの10年とこれから」8月11日、東大安田講堂にて開催

障害のある若者が大学へ進学できるよう、テクノロジーを活用してその準備をサポートするプロジェクト『DO-IT Japan』は、10周年を迎えるこの夏、DO-IT Japan 2016 夏季プログロラム特別企画として、東京大学安田講堂にて公開シンポジウムを開催します。

DO-IT Japanディレクターの近藤 武夫 准教授(人間支援工学)と障害のある生徒・学生(DO-IT Japanスカラー)たちとの特別セッション、先日、日本人として初めて国連障害者権利委員に選出された石川 准 特任教授(バリアフリー)の基調講演、そしてDO-IT Japanを立ち上げた中邑 賢龍 教授(人間支援工学)らによる特別セッション「諦める力と新しい価値(仮)」が行われます。申込先着順で定員になり次第締め切りとなりますので、参加ご希望の方は早めにお申し込みください。

DO-IT Japan 10周年記念一般公開シンポジウム「DO-IT Japanの10年とこれから」
日時:2016年8月11日(木)13:00~17:00
場所:東京大学 安田講堂(本郷キャンパス) ※パソコン文字通訳あり、車椅子での来場可能
参加費:無料
定員:500名(先着順)
お申し込み:以下の予約サイトより事前にお申し込みください。
http://kokucheese.com/event/index/412818/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Book】‐出版情報‐
──────────────────────────────────────
2016年7月16日
『合理的配慮 : 対話を開く,対話が拓く』(有斐閣)
星加 良司 [ほか] 著
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641174221

2016年7月8日
『[新版]くらべる図鑑(小学館の図鑑NEO+)』(小学館)
中村 尚 [ほか] 監修・指導
https://www.shogakukan.co.jp/books/09217233

2016年7月6日
『後藤田正晴と矢口洪一 : 戦後を作った警察・司法官僚』(筑摩書房)
御厨 貴 著
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480433770/

2016年7月6日
『宮澤喜一と竹下登 : 戦後保守の栄光と挫折』(筑摩書房)
御厨 貴 著
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480433763/

2016年1月
『黙って観るコミュニケーション』(atacLab)
武長 龍樹, 巖淵 守, 中邑 賢龍 編著
http://www.atac-lab-shop.com/?pid=98386891

 
ページの先頭へ戻る