令和6年度工学系研究科先端学際工学専攻 春季学位記授与式を挙行
- 先端研ニュース
2025年4月7日
3月24日(月)に令和6年度の東京大学大学院工学系研究料先端学際工学専攻学位記授与式が行なわれました。常務委員の岩本敏教授(極小デバイス理工学分野)より、修了生たちひとりひとりに学位記が授与されました。
岩本常務委員は、「長い期間研究をしてきたその苦労もありながら結果として学位を得た。その知のフロンティアに辿り着いたこと」への祝意を表しました。
学生たちに、「自信と好奇心を持って、前向きに問題を見つけ解決すること」「学位を取得することが目的ではないことを自覚し、博士研究で得た知識をいかに社会へ貢献するかを考える(それは製品をつくることなどとは異にすることである)こと」、「探究心と論理的な思考で、より良い未来と社会のために果敢に進んでほしい」と伝え、最後に「家族、研究室の仲間、指導教員への感謝と共に、今後は他の人へ協力の手を差し伸べる存在であるようにと願う」というアドバイスをもって祝辞を締め括りました。
挨拶をする常務委員の岩本教授
続いて、先端科学技術研究センターの杉山正和所長・教授(エネルギーシステム分野)より、学位記授与者たちへお祝いの言葉が述べられました。
「おめでとうございます」という言葉に続き、杉山所長自身が四半世紀前(2000年)に博士号を取得したその日を懐かしく思い出すとともに、博士号の取得という偉業を成し遂げた卒業生が、博士として何をこれから成していくのかとても興味深く感じると語りました。
世界が目まぐるしく変わる現在(いま)、学問の自由が危機に直面しており、学問の自由を守ろうという意識が今まで以上に必要であり、そのためにはいままでの価値観や常識は通用しないと所長は話しました。
「アカデミアには、今起きている事象について批判的に捉え、常に広く長い視点で批判し警告をしていく義務、より望ましい世界像へと世の中をリードしていく責務がある。博士号を持ったひとかどの人間として、より長い時間軸に沿ってグローバルに思考し、未踏の課題に対して解決策を導くための広範なバックグラウンドを備えることを期待する。一見無関係だと思えたことも次の課題解決への財産になる。これからのますます複雑化する社会に、広い空間軸、長い時間軸をもって新たな解決策を創造してほしい・・・、これは宿題を出しているのではなく、一緒に課題を探して解決していきましょうというメッセージである。主に個人の努力で博士号を取得した後は、必要な能力を備えたチームを組んで、課題を解決していきましょう。」と呼びかけ、祝意を伝えました。
祝辞を述べる杉山所長