令和7年度 工学系研究科先端学際工学専攻 春季学位記授与式を挙行
- 先端研ニュース
2026年4月2日
3月24日、令和7年度の東京大学大学院工学系研究科 先端学際工学専攻 学位記授与式が行われました。修了生一人ひとりの名前が呼ばれ、常務委員の角野浩史教授(地球環境化学分野)より学位記が手渡されました。
角野常務委員からはまず、先端学際工学専攻において博士の学位を取得した修了生に対し、心からの祝意が述べられました。あわせて角野常務委員は、他大学や本学他専攻からの進学者、社会人として職務と両立しながら学んだ人、実務経験を基盤として博士論文をまとめた人など、それぞれ異なる背景と歩みを経てこの日を迎えた修了生たちの努力と忍耐に、深い敬意を表しました。
また、博士号の取得は高度な研究力を修得したことの証であると同時に、新たな出発点でもあると位置づけました。そして、今、現在これからの世界が抱える複雑な課題に向き合うためには、単一の専門分野にとどまらず、学際的な視点に立ち、多様な人々と対話しながら協働していくことが重要であると強調しました。
そのうえで、自身が参加したヨーロッパの研究コンソーシアムの会議を例に挙げ、地震や火山噴火などの災害に関わる観測データを、国境を越えて共有し、多角的な観測手法や研究基盤を統合しながら防災に役立てていく国際的な取り組みを紹介しました。こうした課題は一国や一分野のみで対応できるものではなく、地域や国を越えた、真にグローバルで学際的な連携が不可欠であると語りました。
さらに、学位取得を出発点として新たなキャリアの歩みを進める修了生に向けて、先端学際工学専攻で培った専門性と研究力を、国際的かつ学際的な協働の場で存分に発揮し、日本のみならず世界の人々のために貢献することが、修了生それぞれの未来を切り拓くことにもつながるとして、励ましの言葉を贈りました。

- 祝辞を贈る東京大学 大学院工学系研究科 先端学際工学専攻 角野浩史常務委員
東京大学 先端科学技術研究センター所長の杉山正和教授(エネルギーシステム分野)からも、修了生への祝意と期待が述べられました。杉山所長は、博士号の取得は一つの到達点であると同時に、社会の諸課題に向き合い、よりよい未来を切り拓いていくための出発点であり、学位とはそうした営みに携わるためのいわばライセンスであると語りました。
科学技術は社会を明るく豊かにする力を持つ一方で、使い方を誤れば人類の負の側面を増幅しかねないという、光と影の両面を併せ持つことにも言及しました。不確実性の高い現代だからこそ、多様な視点から物事を見つめ、真実を探究し、想像力と創造力をもって未来に光を当てていくことの重要性を説きました。
また、異なる専門分野から真実を追究してきた人々が力を合わせることで、不確実な未来に対しても道筋を見出すことができるとし、学位を得た修了生に対して、それぞれの専門性を生かしながら、よりよい社会と未来の形成に主体的に関わっていってほしいとの期待を述べました。また、未来の人々から振り返ったときに責任ある時代を築いた存在、すなわち「良き祖先」であることの大切さにも触れ、科学の力で未来を照らし、形づくっていくことへの願いを込めて、修了生たちへの祝いの言葉を締めくくりました。

- 祝辞を述べる東京大学先端科学技術研究センター 杉山正和所長

