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令和8年度東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻 春季入学式を挙行

  • 先端研ニュース

2026年4月10日

4月2日、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻の春季入学式が開催されました。冒頭、先端学際工学専攻 常務委員の小関泰之教授(光量子イメージング分野)が祝辞を述べました。

小関常務委員は、近年、医学・生物学・薬学の進展や、情報端末、AI、ロボットの普及などにより、科学技術が私たちの生活や働き方、さらには学びや研究のあり方そのものを大きく変えつつあると述べました。一方で、地球環境の急激な変化やエネルギー制約、世界情勢の不安定化など、現代社会には解決すべき課題も数多く存在すると指摘しました。そうした時代に次の社会を切り開いていくためには、それぞれの分野の先端を担う人びとが、広い視野に立って力を合わせ、新たな課題の解決に取り組むことが不可欠であると語りました。

そのうえで、先端学際工学専攻には、自然科学、生命科学、情報科学、社会科学、芸術に至るまで、多様な研究分野を担う教員が所属しており、日常的な情報交換や領域横断的な研究が行われていると紹介しました。また、本専攻のカリキュラムは、博士課程の学生一人ひとりが、学際的な視点を養いながら、研究を通じて深い専門性を身につけることを目指していると説明しました。異なる分野を学ぶうえでは、積極的に質問することが重要であり、ためらわずに問い、議論を重ねることが、互いの理解を深め、学際的な協働を生み出す基盤になると呼びかけました。最後に、そのような姿勢を自然に身につけた人材として、新しい社会を切り開いていくことへの期待を述べ、入学生に祝意を送りました。

  • 祝辞を述べる常務委員の小関泰之教授
  • 祝辞を述べる常務委員の小関泰之教授

続いて、先端科学技術研究センター所長の杉山正和教授からも祝辞が贈られました。

杉山所長は、博士課程への入学は新たな探究の出発点であると述べ、学位取得そのものを目的化するのではなく、その過程でどのような能力を身につけるかが極めて重要であると語りました。博士論文の完成に向けて、目標から逆算しながら計画的に研究を進めることの大切さに触れつつも、ある特定の学問領域を深く究めることだけでは、複雑な社会課題の解決には十分ではないと指摘しました。そして、学術を究める営みは、人類がより豊かに、より明るく生きるためのブレークスルーを生み出し、それらを組み合わせながら、よりよい社会の実現につなげていくためのものであるとの考えを示しました。

そのうえで、入学生に対し、自らの博士論文のテーマを徹底的に深める一方で、ぜひ自分の研究テーマ以外の事柄にも広く関心を持ってほしいと呼びかけました。博士号取得後に本当に求められるのは、専門を極め続けることだけではなく、次の社会をよりよくしていくための活動へと軸足を広げていくことにあるとし、その準備を在学中から進めてほしいと述べました。特に、先端学際工学専攻は、工学系研究科の中でもきわめて多様な学術領域を抱える専攻であり、その環境は、異なる評価軸や問題意識に触れながら視野を広げる大きな機会になると語りました。

さらに杉山所長は、これからの研究者には、研究遂行能力に加えて、自らの研究を専門外の相手にも的確かつ分かりやすく伝える表現力や対話力が求められると述べました。対話においては、論理だけでなく、相手の熱意や人間的魅力、夢の大きさを感じ取り、また自らもそうしたかたちで伝えていくことが、より豊かな学術活動につながると指摘しました。学術の周辺にある付随的なものとしてではなく、学術そのものを深め広げる本質的な要素として、総合的なコミュニケーション能力を磨いてほしいとエールを送りました。そして、将来あらためてこの場に戻り、学位記を手にした皆さんに「おめでとうございます。しかしこれは始まりにすぎません」と伝える日を楽しみにしているとして、祝辞を締めくくりました。

  • 祝意の言葉を贈る東京大学 先端科学技術研究センターの杉山正和所長
  • 祝意の言葉を贈る東京大学 先端科学技術研究センターの杉山正和所長
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