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高野山会議2022 開催報告

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2022年8月10日

  • 金剛峯寺新別殿にて、開会宣言を行う神崎亮平教授
  • 金剛峯寺新別殿にて、開会式の挨拶をする神崎亮平教授

2022年6月30日より7月3日まで、高野山真言宗総本山金剛峯寺および高野山大学を舞台として開催された「高野山会議2022」は、大盛況のうちに幕を閉じました。高野山会議は、開創より1200年の歴史を持つ高野山の地において、東大先端研の研究展開を広く一般に紹介するとともに、科学技術 × アートデザイン × 宗教 (哲学) の深い対話を通じてダイバーシティとインクルージョンの未来を形づくることを目的とした、ユニークな科学文化学術会議です。

先端研 神崎亮平教授による開会宣言、先端研 杉山正和所長の主催挨拶で幕を開けた開会式では、共催を代表して、高野山真言宗 今川泰伸宗務総長、和歌山県 仁坂吉伸知事、高野町 平野嘉也町長、高野山大学 添田隆昭学長より挨拶がありました。続いて金剛峯寺社会人権局 藤本善光局長が、「お大師様の寛容精神」と題してオープニング講話を行いました。

会議では、5つのメインセッションが展開されました。
1つ目のテーマは「次世代育成」。人間性や倫理性ある未来をみすえ、次世代の子どもたちの育成について、科学技術・宗教・芸術の専門分野で活躍中のパネリストと議論を行いました。
2つ目のセッションは「インクルーシブデザイン」。バリアフリー当事者研究の専門家、インクルーシブアーツの専門家、そしてデザイナーのそれぞれの視点から、持続的なインクルーシブ社会の在り方について意見が交わされました。
3つ目は、「人間と宗教とテクノロジー」。密教学の専門家とデザイナーの対話に始まり、仏教の概念と芸術的表現、そして科学技術の実践の関係性について、ひろく議論が展開されました。
4つ目は、「気候変動・持続可能なエネルギー・社会システムとデザイン」。喫緊となっている気候変動やエネルギーの問題について、科学の専門家からの話題提供と共に、デザインの立場からの考え方と実践事例が紹介されました。
最後は高野山大学提供のセッションで、テーマは「仏教とは宗教か?」。文化人類学の専門家から、「宗教」とは何であるか、についての話題提供があり、仏教と宗教がイコールではない、という命題について議論されました。
また5つのメインセッションに加えて、先端アートデザイン社会連携研究部門に参画する11社の企業が中心となって特別セッションが開催されました。

これらのセッションと共に、高野山会議のもう一つの重要な柱が、音楽と芸術です。近藤薫特任教授のプロデュースにより、東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによる演奏会が、高野山の様々な場所で展開されました。初日には高野山小学校訪問コンサート、2日目は金剛峯寺お台所での弦楽四重奏、3日目には高野山まちかどコンサートを行いました。そして最終日には、東京藝術大学 澤和樹名誉教授を特別ゲストとして迎え、高野山大学黎明館にてメインコンサートが披露されました。またデザイン面では、金剛峯寺内にて、先端研の伊藤節特任教授、伊藤志信特任准教授、吉本英樹特任准教授による特別展示が行われました。

さらに、高野山内外のエクスカーションプログラム、そしてサプライズ演奏会も含んだ奥の院中之橋霊園のナイトツアーなど、多彩なアクティビティが展開された4日間の高野山会議は、最終日の閉会式で幕を閉じました。閉会式では「高野山宣言」が提言され、今後も1200年にわたり、この高野山会議を続けていくことが、改めて表明されました。

(先端アートデザイン分野 特任准教授 吉本 英樹)

  • 開会式にて挨拶をする神崎教授

    開会式の挨拶をする神崎教授

  • 吉本特任准教授、伊藤志信特任准教授、伊藤節特任教授、近藤特任教授、神崎教授

    左から吉本特任准教授、伊藤志信特任准教授、伊藤節特任教授、近藤特任教授、神崎教授

  • 東京フィルハーモニー交響楽団メンバーらによるクラシックコンサート

    東京フィルハーモニー交響楽団メンバーらによるクラシックコンサート

  • 奥の院中之橋霊園ナイトツアーでの東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによるサプライズ演奏

    奥の院中之橋霊園ナイトツアーでの東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによるサプライズ演奏

  • 開会宣言を行う神崎教授

    高野山宣言を行う神崎教授

  • 閉会の挨拶をする杉山正和所長

    閉会の挨拶をする杉山正和所長

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