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抗体15772件の精密測定結果のご報告(記者会見)

  • プレスリリース

2020年9月2日

1.会見日時:

2020年 9月 2日(水)14:00 ~ 

2.会見場所:

オンライン会見

3.発表者:
川村 猛
(東京大学 アイソトープ総合センター 准教授/新型コロナウィルス抗体検査機利用者協議会幹事会 幹事会代表)
児玉 龍彦
(東京大学 先端科学技術研究センター がん・代謝プロジェクト プロジェクト リーダー/東京大学名誉教授
 /新型コロナウィルス抗体検査機利用者協議会幹事会 アドバイザー)
4.発表概要:

新型コロナウィルス抗体検査機利用者協議会では、村上財団、NPO法人ピースウィンズジャパンによるクラウドファンドでの協力により、15772件の抗体測定を行いました。測定結果の暫定集計から次の3点についての結果を得ましたので、ご報告の記者会見を9月2日午後2時から行います。

  1. 中等症(ステージII)までは抗体産生が上昇した。しかし、重症化して人工呼吸器使用(ステージIII)とECMO使用(ステージIV)となるにつれて抗体濃度は低下する。この結果から、重症例では免疫反応がサイトカインストームなどにより抑制されていると考えられる(図1)。
  2. IgAを日本人症例で多数例測定したところ、抗体反応に非常に大きな個人差がみられ、従来IgG、IgMが上昇しないとされる例においてIgAが上昇している例があることがわかった(図2)。
  3. ワクチンの中和抗体の標的として期待されているスパイク抗原への抗体と、ヌクレオキャプシド抗原への抗体とを日本人で同時に測定した結果、N抗原への抗体が早く消失し、S抗原への抗体が比較的長く存在することがわかった。これはS抗原を標的とするワクチンに期待が持てる結果である(図3)。
5.問い合わせ先:

東京大学 先端科学技術研究センター
がん・代謝プロジェクト プロジェクトリーダー 児玉 龍彦(こだま たつひこ)

6.添付資料:
図1
図1:抗体の反応は、軽症から中等症で増加するが、重症になると減弱することがわかった。
図2
図2:S抗体はN抗体より長い寿命をもつ。
図3
図3:IgAだけ上昇する人、IgGだけ上昇する人、IgAとIgGの両方、上昇する人がいる。
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