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組成傾斜導入で太陽光と水から効率的に水素生成

  • 研究成果

2021年10月13日

東京大学先端科学技術研究センター エネルギーシステム分野 嶺岸耕特任准教授、杉山正和教授らの研究チームは、光電極中に組成傾斜を導入することで水からの水素生成における太陽光の利用効率が飛躍的に向上することを見出だしました。本研究にて得られた知見は、光電極・光触媒の動作原理解明に貢献し、ひいては人工光合成の実用化に役立つと期待されます。

【概要】

近年、光触媒やそれを電極化した光電極による水分解反応は水と太陽光のみから安価かつ大規模に次世代エネルギーキャリアである水素を生成する人工合成として注目を集めています。これらの手法による人工光合成の実用化には高効率化が最も大きな障壁です。光触媒材料は光を受けると、その内部に電子と正孔の対が生成します。その電子と正孔がそれぞれ水を還元、酸化することで酸素と水素が生成します。したがって、この電子と正孔の振る舞いを理解・制御することが人工光合成実用化へのカギになります。 今回、新たに創製した組成傾斜型光電極では電極表面から深さ方向へ向けて組成を徐々に変化させることで光触媒材料中に生成した電子と正孔が再度結合する前に水素生成反応サイトと酸素生成反応サイトへ移動する構造としました。これにより生成した電子と正孔をほぼ100%の効率で水分解反応に利用可能であることが実験的に明らかになり、また、シミュレーションからもその有用性が確認されました。今後、新規材料開発や解析を行うことで実用的効率の反応系構築を目指します。

組成傾斜構造と従来構造の比較

【論文情報】

雑誌名:
Applied Physics Letters
論文タイトル:
Efficient hydrogen evolution from water over thin film photocathode composed of solid solutions between ZnSe and Cu(In, Ga)Se2 with composition gradient
著者:
Tsutomu Minegishi, Shingi Yamaguchi, Masakazu Sugiyama
URL :
https://aip.scitation.org/doi/full/10.1063/5.0064658別ウィンドウで開く

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