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辻村真樹さん(石北研究室 工学系研究科 M2)が令和3年度「東京大学総長賞」を受賞されました

  • 受賞

2022年3月9日

理論化学分野 石北研究室の辻村真樹さん(工学系研究科 応用化学専攻 修士課程2年)が「学業:微生物型ロドプシンにおける光駆動イオン輸送機構の解明」により、令和3年度の学生表彰「東京大学総長賞」を受賞されました。

  • 辻村真樹
    辻村真樹さん
  • 【受賞内容について】

    微生物型ロドプシンは光を受容してイオン輸送などの機能を発現する膜タンパク質であり、生体活動を光で制御する「光遺伝学」に応用される。辻村氏は理論化学的な手法を用いて、微生物型ロドプシンの機能と吸収波長に生じる関係や、機能発現の起源となるタンパク質内プロトン移動の反応機構を明らかにした(基礎)。さらに、理論化学計算に基づいた分子設計により、光遺伝学で実用的な吸収波長を示す変異体タンパク質の創出に成功した(応用)。生命活動の根源に分子化学から迫り、「実験に先駆けた理論研究」という枠組みを構築した辻村氏の研究成果は、国際誌に6報の学術論文が受理され、学会賞4件を受賞するなど、国内外で高く評価された。

    【辻村さんの受賞コメント】

    東京大学総長賞を受賞し、大変光栄に思います。このような賞を受賞することは想像したこともなかったので、ただただ驚いています。いつも丁寧にご指導いただき、多くの議論をしていただいた石北央先生、斉藤圭亮先生、田村宏之先生、野地智康先生、研究に集中できる環境を作ってくださった研究室秘書の寺尾由香里さん、共に刺激をし合った研究室のメンバー、特に同期の三橋孝司君、平賀啓太君、許天陽君、ならびに支えてくださった全ての方々に深く感謝申し上げます。

    驚くほど巧みなタンパク質の機能発現メカニズムを化学の言葉で説明できたとき、この上ない喜びが得られることを、これまでの3年間の研究生活を通じて学びました。今回の受賞を糧に、「化学を軸足に自然科学を考える」をモットーに、研究で得られる喜びを味わいつつ、多くの方々の役に立つような研究を推し進めてまいります。

【指導教員 石北 央 教授のコメント】

辻村さんは、工学部応用化学科4年生として先端研4号館にて卒業論文研究に着手してから、同期のメンバーと切磋琢磨し合い、めきめきと頭角を現し卒業論文発表優秀賞(藤嶋昭賞)を受賞するに至りました。修士課程の2年間(2020年4月~2022年3月)は、コロナ禍と完全に重なってしまったため多くの時間を在宅・オンラインで対応することとなりましたが、モチベーションを失うことなく研究活動をエンジョイし、数多くの国際誌・筆頭著者論文を発表されました。この業績は、修士課程の学生としては極めて例外的なことですが、そこには辻村さんの並々ならぬ努力ならびにしっかりした基礎学力があったことを申し添えます。今回の受賞を心からうれしく思います。

研究室にて

先端研の研究室にて。左から、辻村さん、許天陽さん(当時修士課程2年)、野地智康助教、三橋孝司さん(当時修士課程2年)、平賀啓太さん(当時修士課程2年)。

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