空間を総合的に考えデザインしたベッド「TAKO」がiFデザイン賞2024を受賞
- 受賞
2024年3月21日
空間を総合的に考えデザインしたベッド「TAKO」が、世界で最も権威のあるデザイン賞の一つであるドイツの「iF International Forum Design」が主催するiFデザイン賞2024を受賞しました。
【受賞対象】
作品名:ベッド「TAKO」
作品名である「TAKO」は、日本語で「凧」を意味し、夢の中で空に舞い上がるような軽やかなイメージと、背もたれの包み込むような湾曲した無垢材の軽やかさと同時にソファのようなコンフォートさを併せ持つベッド、ベッドルームファニチャーコレクションである。 眠り、休むこと、寝室という空間を総合的に考え、全てのアイテムが調和した時のその空間での安らぎをデザインしている。眠りの安らかさの表現として、柔らかさと確かさを持つ日本の和道具”曲げわっぱ”を幾何学的に捉えデザイン言語にしている。人の手技による工芸的要素を重要視しながら、生産効率の良い工業的要素を合わせ、工業的でも工芸的でもない中間領域の 人の智と工業の知を合わせ最適化したデザイン作品である。
デザイン:
伊藤節 特任教授 / 東京大学先端研・先端アートデザイン分野
伊藤志信 特任准教授 / 東京大学先端研・先端アートデザイン分野
Leonardo Mercurio / studio Ito design
【受賞コメント】
伊藤節特任教授:本作品は、快適な眠りをテーマにミラノサローネ/ミラノデザインウィーク2023で発表した、一連の寝室家具のデザインです。イタリアの企業から制作発表された作品ですが、東大先端研AAD研究室でも積極的に進めている、欧州文化と日本文化、工業製品と手工芸、重厚さと軽快さ、包容感と自立性といったダイバーシティを包摂するコンセプトのデザインです。家具デザインというイノベーションが計量しにくい分野で、この作品が世界有数の国際デザイン賞であるIFデザイン賞を受賞できたことに、異なる文化を包摂するデザインに対する期待値が高まっていることと、東大先端研AADで研究を進めていくことの大きな意義を感じます。
伊藤志信特任准教授:人が眠り、休むこと、寝室という空間、それらを総合的に考えデザインしたベッドTAKOが、名誉あるIFデザイン賞2024 を受賞いたしまして大変光栄です。これは私達がAADでも進めている 手の知力という工芸的の持つ人間的要素を活かしながら生産効率の良い工業化を併せて、設計、材料、色、製作過程までをデザインしたもので、工芸と工業の中間領域のアートデザイン性を持つ作品です。現代、機械か人間の作ったものかの両極が進む中、それをインテグレートする作品でもあります。
- 今回受賞したベッド「TAKO」
- ベッドヘッドディテール
- デザイン言語に使用した日本の曲げわっぱを表現したナイトテーブル
- 人が眠り、休むこと、寝室という空間、それらを総合的に考えデザインしたベッド「TAKO」