「アト秒レーザー科学研究施設(Attosecond Laser Facility: ALFA)」プロトタイプが先端研4号館に設置
- 先端研ニュース
2024年11月19日
- プロトタイプとしての ALFA 新拠点開設
10月31日、アト秒レーザー光を幅広い分野の研究者に提供するためのユーザー施設「アト秒レーザー科学研究施設(Attosecond Laser Facility; ALFA)」のプロトタイプ施設が先端科学技術研究センター(駒場IIキャンパス)4号館217・218号室に設置され、先端研の杉山正和所⻑と三村秀和教授(超精密製造科学分野)、東京大学アト秒レーザー科学研究機構の山内機構⻑、芦原聡教授(生産技術研究所)らによる開所式が行われました。
本プロトタイプ施設は、三村研究室の協力を得て、ALFAのユーザー利用に向けて、レーザービームラインと計測装置とを着実に整備するために設置されました。
アト秒レーザー光を計測装置に導入し集光するためには、三村研究室が独自に開発した集光光学系が用いられます。この軟X線領域の光の集光技術によって、アト秒レーザー光をサブミクロンサイズにまで集光することが世界ではじめて可能となりました。
アト秒レーザー科学研究機構は、総⻑総括委員会の下に学内9部局による支援によって2022年11月に発足した組織です。機構の下には、運営委員会や国内外の有識者による連携協議会分科会委員会、諮問委員会が設置され、ALFAの実現に向けた取り組みが進められています。文部科学省学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想「ロードマップ2023」において、「ALFAは実現性・実効性が高く、アト秒レーザーを用いた国際的中核拠点としての研究の展開が期待できる計画」として高い評価を得ました。
2023年のノーベル物理学賞がピエール・アゴスティニ博士(オハイオ州立大学)らの「アト秒パルス光を発生する実験的手法」に対して与えられたことからも分かるように、アト秒科学は最先端の研究領域として注目されています。
本年9月26日、27日にはアゴスティニ博士を招聘し、特別講演会(安田講堂)と国際シンポジウム(理学部化学講堂)が開催され、国際規模でアト秒科学分野の発展に向けた活動が展開されました。
先端研では、三村研の最先端集光光学技術を通じ、アト秒科学の国際的な共同利用・共同研究拠点を支援してまいります。
- 左から芦原聡副機構⻑、山内薫機構⻑、杉山正和所⻑、三村秀和教授、アマニ特任准教授
- 計測装置