カーボンニュートラル技術拠点活動の成果「グリーン水素発電システム:G-HES(Green Hydrogen Energy System)」をBLUE FRONT SHIBAURAに導入
- 先端研ニュース
2025年3月7日
東京大学 先端科学技術研究センターのカーボンニュートラル技術拠点活動における社会実装として、「BLUE FRONT SHIBAURA」に『グリーン水素発電システム:G-HES(Green Hydrogen Energy System)』が導入されました。
1.活動の背景と目指すもの
「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、CO2の削減が大きく期待できる水素エネルギーの活用は、未来に向けた高いポテンシャルを持っています。国内のCO2総排出量のうち、約50%が都市の社会経済活動に由来して排出されており、都市におけるCO2削減問題の解決策を提示することは、日本全体におけるCO2削減の取り組みの中で重要な課題となっています。
産学連携活動「カーボンニュートラル技術拠点」では、東大先端研・河野龍興教授及び先進的な技術を有する民間事業者と共に、都市部におけるカーボンニュートラルの実現をめざして、2021年より活動中です。東大先端研・河野研究室で開発中の「再生可能エネルギーを利用した水素エネルギーシステム」の技術を活用し、太陽光発電からの電力を100%利用して製造したグリーン水素により発電を行うエネルギーシステム(G-HES)を構築・導入しました。
水素エネルギーを利用することができる新たな都市型モデルとして、今後の普及拡大が期待されます。
「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、CO2の削減が大きく期待できる水素エネルギーの活用は、未来に向けた高いポテンシャルを持っています。国内のCO2総排出量のうち、約50%が都市の社会経済活動に由来して排出されており、都市におけるCO2削減問題の解決策を提示することは、日本全体におけるCO2削減の取り組みの中で重要な課題となっています。
産学連携活動「カーボンニュートラル技術拠点」では、東大先端研・河野龍興教授及び先進的な技術を有する民間事業者と共に、都市部におけるカーボンニュートラルの実現をめざして、2021年より活動中です。東大先端研・河野研究室で開発中の「再生可能エネルギーを利用した水素エネルギーシステム」の技術を活用し、太陽光発電からの電力を100%利用して製造したグリーン水素により発電を行うエネルギーシステム(G-HES)を構築・導入しました。
水素エネルギーを利用することができる新たな都市型モデルとして、今後の普及拡大が期待されます。
2.G-HESによって実現される価値
G-HESの導入により、再生可能エネルギーを活用した水素EMS(Energy Management system)の構築を通して、都市部における地産地消型の再生可能エネルギーの活用を実現します。また、より多くの方々にグリーン水素の利活用シーンに触れていただく機会を創出し、加えて災害時のレジリエンス強化という都市部の固有課題へ対応が可能となります。これらの活動を通して、都市部におけるカーボンニュートラルの社会実装へ取り組みが推進されます。
具体的には、「BLUE FRONT SHIBAURA」の敷地内において、100%太陽光発電由来の電気により作られたグリーン水素で、外構照明や水景施設用ポンプ、共用コンセントへCO2フリーなグリーン電力を供給します。系統電力から独立した完全自立型のエネルギーシステムであることから、災害時においても自立運転可能であり、帰宅困難者に対する携帯電話の充電などに活用が期待されます。
G-HESの導入により、再生可能エネルギーを活用した水素EMS(Energy Management system)の構築を通して、都市部における地産地消型の再生可能エネルギーの活用を実現します。また、より多くの方々にグリーン水素の利活用シーンに触れていただく機会を創出し、加えて災害時のレジリエンス強化という都市部の固有課題へ対応が可能となります。これらの活動を通して、都市部におけるカーボンニュートラルの社会実装へ取り組みが推進されます。
具体的には、「BLUE FRONT SHIBAURA」の敷地内において、100%太陽光発電由来の電気により作られたグリーン水素で、外構照明や水景施設用ポンプ、共用コンセントへCO2フリーなグリーン電力を供給します。系統電力から独立した完全自立型のエネルギーシステムであることから、災害時においても自立運転可能であり、帰宅困難者に対する携帯電話の充電などに活用が期待されます。
グリーン水素発電システム(G‐HES)の外観図 (左)とグリーン電力供給エリアの全体図
3.概要
再生可能エネルギー由来のグリーン水素を「つくる」「ためる」「つかう」3つの機能で構成される、ています。最大の特徴は、電気エネルギーを水素エネルギーに変えて高い安全性・長期の持続性を確保して蓄えられること、電力系統に依存しない自立運転可能な電源システムであることです。G-HESは水素製造装置(アニオン交換膜(AEM)型※2)9.6kW、水素吸蔵合金タンク100Nm3、燃料電池(プロトン交換膜(PEM)型※3)5kW、蓄電池で構成されています。
また都心の限られたスペースに水素を貯める必要が有るため、小型で液体水素よりも容積が小さく水素を貯めることができる水素吸蔵合金タンクを採用しました。水素吸蔵合金は水素を安全に貯蔵・放出することが可能な合金で、水素を貯蔵した状態でも爆発しない、燃えないという安全な材料(非危険物)です。充電・放電して繰り返し使えるニッケル水素電池(主にハイブリッド自動車に搭載)には、この水素吸蔵合金が使われています。
なお、G-HES導入については、環境省が推進する令和5年度「脱炭素社会構築に向けた再エネ等由来水素活用推進事業」に採択されています。
再生可能エネルギー由来のグリーン水素を「つくる」「ためる」「つかう」3つの機能で構成される、ています。最大の特徴は、電気エネルギーを水素エネルギーに変えて高い安全性・長期の持続性を確保して蓄えられること、電力系統に依存しない自立運転可能な電源システムであることです。G-HESは水素製造装置(アニオン交換膜(AEM)型※2)9.6kW、水素吸蔵合金タンク100Nm3、燃料電池(プロトン交換膜(PEM)型※3)5kW、蓄電池で構成されています。
また都心の限られたスペースに水素を貯める必要が有るため、小型で液体水素よりも容積が小さく水素を貯めることができる水素吸蔵合金タンクを採用しました。水素吸蔵合金は水素を安全に貯蔵・放出することが可能な合金で、水素を貯蔵した状態でも爆発しない、燃えないという安全な材料(非危険物)です。充電・放電して繰り返し使えるニッケル水素電池(主にハイブリッド自動車に搭載)には、この水素吸蔵合金が使われています。
なお、G-HES導入については、環境省が推進する令和5年度「脱炭素社会構築に向けた再エネ等由来水素活用推進事業」に採択されています。
グリーン水素発電システム(G‐HES)の概要図
※1「カーボンニュートラル技術拠点に関する連携」について
報道発表資料:https://www.nomura-re-hd.co.jp/cfiles/news/n2021112601929.pdf
※2 アニオン交換膜(AEM)型:Anion Exchange Membrane の略で、マイナスイオンを透過させる高分子膜を利用する方式
※3 プロトン交換膜(PEM)型:Proton Exchange Membraneの略で、プロトンを透過させる高分子膜を利用する方式
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