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「再生可能エネルギーを利用した水素エネルギーシステム」技術が東京都「グリーン水素率先利用事業者認証制度」認証取得に貢献
―エネルギーの安定確保と脱炭素化の両立化を実現―

  • 研究成果

2025年10月22日

東京大学先端科学技術研究センター(所在地:東京都目黒区/所長:杉山 正和、以下「東大先端研」)は野村不動産株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:松尾 大作)とカーボンニュートラル技術拠点に関する連携活動を進めており、その一環として「BLUE FRONT SHIBAURA」(以下、「本プロジェクト」)の外構部であるGREEN WALKに、グリーン水素発電システム:G-HESを開発・導入しています。本システムがこの度、東京都が再生可能エネルギー電力由来の水素の活用促進を目的として定める「グリーン水素率先利用事業者認証制度」※の認証を2025年10月1日付けで取得しました。
※東京都産業労働局 グリーン水素率先利用事業者認証制度 https://www.green-h2-certification.metro.tokyo.lg.jp/別ウィンドウで開く

  • G-HES 外観写真
    G-HES 外観写真
1.グリーン水素発電システム:G-HESの取組み概要

「2050年カーボンニュートラルの実現」に向け、都市におけるCO₂削減問題の解決策として、太陽光パネルによりグリーン水素を製造し、燃料電池発電により各設備へCO₂フリーな電力を供給する、環境にやさしい「つくる・ためる・つかう」のグリーン水素エネルギーシステムを開発しました。得られたグリーン電力はGREEN WALK内の水景ポンプ、照明、共用コンセント、屋外ミストに供給しており、多くの方々にグリーン水素の利活用シーンに触れて頂く機会を創出し、また災害時のレジリエンス強化という都市部の固有課題へ対応します。
2025年3月より本稼働し、8月末時点でグリーン水素利用量は800Nm³に達しており、今後もグリーン電力を供給してCO₂削減問題の解決策として発信し続けていきます。また、この度のグリーン水素率先利用事業者認証は、申請対象期間となるシステム稼働時間が短いことから、「少量利用型」認証区分となりますが、来年度は「オンサイト型」(地産地消)認証区分で申請予定です。

  • グリーン電力供給先
2.グリーン水素を活用した地産地消エネルギーシステムへの期待

G-HESは東京大学先端科学技術研究センター・河野研究室で開発中の「再生可能エネルギーを利用した水素エネルギーシステム」の技術を活用しています。

【東京大学先端科学技術研究センター 河野 龍興教授よりコメント】

都市部ではエネルギー消費量が膨大であり、その大部分を海外からの化石燃料に依存せざるを得ない状況です。G-HESは再生可能エネルギーというグリーンな地域内資源を有効に利用して、長期間の高密度エネルギー貯蔵が可能な水素エネルギーを活用しています。また大規模災害で従来の電力網が寸断されても、G-HESは独立した電源として機能し、都市における防災力を大幅に向上させることができます。
このような都市部における分散循環型のグリーンエネルギーシステムは、環境への負荷を極めて低く抑えることができるため、強靭で新しいエネルギーインフラの構築が期待できます。今後、このシステムが全国の都市部へ展開されることで、2050年カーボンニュートラル達成に向けた大きな推進力となることを期待しています。

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