下林秀輝さん(稲見・門内研究室 D2)らが、国際会議SIGGRAPHのEmerging Technologies部門で「Audience Choice Award」を受賞
- 受賞
2026年8月6日
2026年7月19日~23日にアメリカ・ロサンゼルスで開催された国際会議SIGGRAPH 2026において、稲見・門内研究室の研究成果「EmoMime: Augmenting Social Behavior and Self-Expression via Wearable Robotic Limbs」が、Emerging Technologies部門のAudience Choice Awardを受賞しました。
本研究には、下林秀輝さん、佐々木智也さん、廣瀬雅治さん、堀江新さん、稲見昌彦教授が参加しています。Audience Choice Awardは、会場来場者の投票によって選出される賞です。
下林さんは、昨年の「Handoid」に続き、筆頭著者として2年連続で同賞を受賞しました。
下林さんから届いた受賞報告と今後の研究への意気込みを掲載します。
SIGGRAPHは、コンピュータグラフィックスやインタラクティブ技術に関する世界最大級の国際会議です。Emerging Technologies部門では、先進的な技術を用いた研究成果がデモンストレーション形式で展示され、来場者が実際に体験できます。
今年は「EmoMime」という身体装着型ロボットアームに関する研究をデモ展示し、会期中、多くの研究者やクリエイター、企業関係者、一般来場者に体験していただきました。その結果、会場投票によって選ばれるAudience Choice Awardを受賞しました。
【研究の概要】
「EmoMime」は、人の顔の周囲で動作する、身体装着型のロボットアームです。
人は、顔を手で覆う、頬に手を添えるといった身ぶりを通して、驚きや恥ずかしさ、不安などの感情を表現します。一方、これまでの身体装着型ロボットアームは、物を運ぶ、作業を補助するといった身体の外側に向けた機能を主な目的としており、顔の近くで安全かつ繊細に動作させることは困難でした。
EmoMimeでは、人の手に近い形状を持つロボットハンドと、生物の身体構造を参考にした柔軟なアームを組み合わせています。これにより、顔の近くでも安全に動作しながら、ロボットの手が装着者の感情や意図を身ぶりとして表現することを可能にしました。
今回の展示では、声をベースに装着者の感情表現を強調する動きなどを体験できるデモンストレーションを行いました。身体に加わった新たな手を通じて、人の内面を物理的な動きとして表現する、未来のコミュニケーションの可能性を提案しています。
会場では、EmoMimeを初めて見た方から「ロボットの手なのに感情を感じる」「実際に装着すると自分の身体の一部のように思える」といった反応をいただきました。技術的な仕組みだけでなく、身体に新たな表現手段を加えるというコンセプトを、多くの来場者に体験を通じて評価していただけたことが、今回の受賞につながったと考えています。
【受賞コメント】
世界中から多くの研究者や作品が集まるSIGGRAPHで、来場者の投票によるAudience Choice Awardを受賞できたことを大変うれしく思います。会期中は、文化や専門分野の異なる方々にEmoMimeを体験していただき、さまざまな反応や意見を得ることができました。
今後は、ロボットアームの動きや装着性をさらに改善するとともに、人と人とのコミュニケーションや感情表現にどのような変化をもたらすのかを検証していきます。身体に加わる新たな手が、日常生活の中で自然な表現手段となる未来を目指して、研究を進めていきたいと考えています。



