東京都「グリーン水素率先利用事業者認証制度」の認証を取得
―液体にエネルギーを貯める新技術-グリーン水素の製造/貯蔵/輸送/利用に関する実証実験が評価―
- 先端研ニュース
2026年10月15日
国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター(以下 東京大学先端研)は、代表共同事業者として、共同事業者である株式会社アイシン(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:吉田 守孝、以下 アイシン)およびARM Technologies株式会社(本社:神奈川県相模原市、代表取締役社長:荒木紀歳、以下 ARM Technologies)とともに、東京都が推進する「グリーン水素率先利用事業者認証制度」において認証を取得しました。10月14日には東京都にて認証式が行われ、小池百合子東京都知事から認証盾を受領しました。

1.「グリーン水素率先利用事業者認証制度」について
「グリーン水素率先利用事業者認証制度」は、東京都が都内におけるグリーン水素※1の活用促進および普及拡大を目的として創設した認証制度です。この制度は、エネルギーの安定供給の確保や脱炭素社会の実現に向け、東京都内でグリーン水素を率先して利用した事業者を認証し、広く周知するとともに、奨励金の支給やロゴマークの活用などにより、事業者の取組を後押しするものです。
2. 評価された取り組みの概要
東京大学先端研、アイシン、ARM Technologiesの3者は、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を水系・不燃性の液状水素キャリアに貯蔵し、常温常圧で安全に輸送した上で、都内の需要地で電力として高効率に利用する一貫システムの実証に成功しました。
3. 主な技術・運用上の強み
従来の水素貯蔵・輸送で課題となっていた高圧ガス設備や極低温設備を必要とせず、水系かつ不燃性(危険物・劇物に非該当)の液体として取り扱いが可能です。 一般的な樹脂容器での貯蔵やポンプによる移送が可能で、トートバッグで持ち運べるほど容易に運搬できます。
独自の電解・発電システムにより、キャリア変換や脱水素に伴うエネルギーロスを抑制。従来技術の総合効率約23%に対し、約64%という高いエネルギー効率を実現しています。
4. 今後の展望
本技術の確立により、常温常圧でグリーン水素の長期貯蔵・輸送が可能となり、カーボンニュートラルの実現に向けた大きなブレイクスルーとなります。また、太陽光や風力といったグリーン電力の更なる導入を後押しするとともに、天候に左右されやすい再生可能エネルギー設備の利用率向上に大きく寄与します。
※1 グリーン水素
太陽光や風力などの再生可能エネルギー由来の電力によって製造される水素。製造時・利用時ともにCO₂を排出しない最もクリーンなエネルギー。
※2 液状水素キャリア
水素吸蔵合金を水に分散させた流動性のある燃料。常温常圧で液体として安定し、不燃性(非危険物)であるため安全かつ容易に運搬・貯蔵が可能。
<実証の概要>

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