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先端研クロストークを開始

  • 先端研ニュース

2022年12月20日

今秋から、先端研内外の専門家らが多様なテーマについて語り合う「先端研クロストーク」が始まりました。さまざまな分野の研究者が集う先端研で、その道のプロフェッショナルたちが異分野融合の面白さや難しさ、ふと湧いた疑問、好奇心をぶつけ合います。

12月1日に開催された第2回目のテーマは「脳神経科学と芸術の接点」。杉山正和所長、脳内の情報表現を脳活動から読み取る研究などをしている小谷潔准教授(光製造科学分野)、ヴァイオリニストの近藤薫特任教授(先端アートデザイン分野)、ピアニストで東京藝術大学の坂井千春教授が登壇しました。

小谷准教授は解剖学的また機能的な面から見た音楽家の脳について、最先端の研究成果を披露。近藤特任教授と坂井教授は、会場のスライドに3種類の楽譜を映し、同じ曲でも楽譜の違いから生じる印象について説明しました。楽譜は出版社の版によって五線譜の幅やインクの濃さなど細かな部分が違うといい、近藤特任教授は「この差によって、(楽譜の読み手である演奏者側に)湧いてくるインスピレーションがかなり違う。脳に関係するのではと興味がある」と話しました。また、楽譜を見ながら弾いた場合と暗譜の場合ではどのように音色が変わるのか、デモンストレーションとしてモーツァルトのバイオリンソナタを演奏しました。

杉山所長からは、「私もコンサートによく行くが、好きな曲はつい目を閉じて聴いている。例えば、暗譜だと視覚という要素が入っていない。脳科学的にみると、脳内で異なる感覚をつかさどる機能が同時進行したとき、それらが相互作用することはあるのか。または一つの感覚に絞ると、演奏が変わるといったことは起こり得るのか」といった質問が出ました。他にも、タブレット端末と紙で楽譜を読んだときの違いなどを、坂井教授と近藤特任教授が音楽家の視点で語りました。

先端研クロストーク第1回目は、9月28日、稲見昌彦教授(身体情報学分野)がファシリテーターを務め、杉山所長、吉本英樹特任准教授(先端アートデザイン分野)、小泉悠講師(グローバルセキュリティ・宗教分野)が登壇しました。

  • 脳神経科学と音楽について意見が交わされた先端研クロストーク
  • 脳神経科学と音楽について意見が交わされた先端研クロストーク
  • 小谷准教授、坂井教授、杉山所長、近藤特任教授""
  • (左から)小谷准教授、坂井教授、杉山所長、近藤特任教授
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