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ひらめき☆ときめきサイエンス ようこそ大学の研究室へ 
「ロボットで探る昆虫の感覚と脳と行動の不思議」

  • 先端研ニュース

2010年12月18日

クリスマス直前の12月18日に、2010年度日本学術振興会委託事業、「ひらめき☆ときめきサイエンス ようこそ大学の研究室へ」が神崎研究室主催で開催されました(後援:東京都目黒区教育委員会、日本比較生理生化学会、東京大学先端科学技術研究センター)。神崎研究室にとっては、三年連続の主催になります。毎年、募集定員を大幅に上回る応募者がある人気プログラム。今年も全国から選ばれた39名が参加しました(当日欠席1名)。昨年からは手話通訳もつけており、今回は7名の聴覚障害を持つ生徒さんが一緒です。
このプログラムは、サポート体制がとてもしっかりしているのも特徴のひとつです。39名の参加者に対して、スタッフは実に22名。うち5名は筑波大学附属聴覚特別支援学校の先生などから手話のサポートをお願いしました。さらに6名は現役高校教員(遠くは静岡から)で、万全の布陣です。もちろん全員が手弁当。こういった努力の甲斐もあってか、昨年は「よく工夫されたプログラム」に選ばれました。
さて、9時半受付け開始で、10時の開始には全員が着席、神崎先生のあいさつと共に長い一日が始まりました。「昆虫の感覚と脳と行動の不思議」と題する講義が行われた後はひたすら、実習、実習、実習です。冒頭、「昆虫がキライな人?」との問いに一人だけ手があがりました。すると、とっても嬉しそうな神崎先生。「とってもいいですねぇ。これが終わったら、ムシのことがとっても好きになると思いますよ。もちろん、好きな人はもっと好きになります」。そんな和やかな雰囲気の中、「カイコガのオスがメスを探すしくみを探る」「昆虫の脳と神経のしくみを探る」などなどプログラムは続いていきます。
お昼を挟んで、6つの実習を終えたところで実際に神崎研の研究室に移動して、研究室見学と体験が行われました。一度に40名は入れないので、班ごとに順番に入っていきます。ほとんどの生徒さんにとって、初めての東京大学、初めての研究室の現場だったのではないでしょうか。それまでに十分、実習もして昆虫に関する基本的な知識を得た上で訪れた研究室という最先端研究の現場は非常に新鮮で、かつ刺激的に映ったはずです。
そろそろプログラムの終了が近づいてきました。そのようなタイミングで神崎先生が必ず行う「儀式」があります。それは、「全員起立!」「(犠牲になったムシさんに)ありがとう」と感謝の気持ちを述べること。真理を追究するために、時として私たちは何かを犠牲にしなければいけないことがあります。その際に謙虚な気持ちを忘れないこと、そんな研究者としてのマインドを伝えることもこういった事業では非常に大切なことであると考えています。
最後に生徒さんには、晴れて「未来博士号」、今回は「昆虫ロボット博士号」と書かれた修了証が神崎先生の手で一人ひとりに授与されました。「とてもわかりやすい説明で楽しかった」「小さな昆虫の脳が好きになった」などの感想に、「疲れたよー」と言いながらも笑顔の神崎先生でした。これから10年、20年後。「未来」がとれた「博士号」の誕生を心から期待しています。


図1
神崎先生による講義
(左は聴覚障害者のための手話サポート)

図2
実習は班ごとで

図3
神崎先生から修了証の授与

図4
神崎先生直筆署名入り修了証
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