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足・腰振動刺激付きバランス機器による高齢者転倒予防連続講座(4回)
―バランストレーニングで健やかな老後を―

  • 先端研ニュース

2012年4月13日

東京大学先端科学技術研究センター・東大高齢社会総合研究機構 共催

平成23年12月より平成24年3月まで4回連続での高齢者転倒予防講座を高齢社会総合研究機構にて実施した。田中研究室スタッフは、田中特任教授、前田研究員、および4名の協力研究員であった。
なお、参加人数(定員20名限定)は1回目19名、2回目18名、3回目15名、4回目17名であった。
講座内容は、以下のとおりである。

講座のスケジュール(連続4回)
1回目(12月2日 金) 講義と個人のバランス能力の初期評価(1回目評価)とトレーニング
2回目(1月20日 金) 講義(検査結果説明)および実践バランストレーニング、1回目の個人評価に基づく個人用トレーニングプログラム作成
3回目(2月17日 金) 再評価(2回目)とトレーニング
4回目(3月9日 金) 再評価に基づくトレーニング実践再評価(2回目)の個人評価に基づく個人用トレーニングプログラム作成

1回目は、高齢者の転倒やバランス能力に関する講義を実施した(Fig.1)。その後、各参加者のバランス能力を評価するため、重心動揺計によるバランス評価(Fig.2)、足底面に対する感覚検査(Fig.3)、筋力測定(Fig.4)、臨床バランス検査(Timed Up and Go Test およびFunctional Reach Test)(Fig.5)、形態計測、関節可動域検査を実施した。これらの評価結果をもとに個人用トレーニングプログラムを作成した。

2回目には、1回目に実施した評価結果を参加者個人に提示し、それぞれの現状を説明した。そして個人用トレーニングプログラムを実演し、自宅にて週3回以上実践するよう指導した(Fig.6)。

3回目は、1か月間のトレーニングプログラム実施の効果を判定するため、1回目と同様の項目で再評価を行った。

4回目は、再評価結果を参加者に提示し、重点的にトレーニングすべき項目について説明した。さらに、上記内容をもとに再作成された個人用トレーニングプログラムを実演し、今後も継続してもらうように指導した。なお、3回目と4回目には、田中研究室監修のもと企業が開発した座位および立位バランス訓練ツール「アピュア」を紹介し、実技指導を行った(Fig.7)。

なお、初期評価(1回目の評価)と再評価(2回目の評価)では重心計による評価、筋力、臨床バランス検査等においておおむね改善向上しているデータ結果を示していることから、参加高齢者には継続してトレーニングすることを指導した。

  • 講義の様子

    Fig.1 転倒予防に関する講義

  • バランス評価の様子

    Fig.2 重心動揺計を用いたバランス評価

  • 感覚検査の様子

    Fig.3 足底面の感覚検査

  • 筋力検査の様子

    Fig.4 徒手筋力測定器による筋力検査

  • 臨床バランス検査の様子

    Fig.5 臨床バランス検査(Timed Up and Go Test)

  • 立位でのバランストレーニングの様子

    Fig.6 転倒予防のための実技指導 立位でのバランストレーニング

  • 「アピュア」を用いた座位バランストレーニングの様子

    Fig.7 転倒予防のための実技講習 「アピュア」を用いた座位バランストレーニング

講座終了後のアンケート結果
講座終了後に書面にてアンケートを実施した。講座を終え、約9割の方が「勉強になった」との感想をもっていた(Fig.13)。また、自宅でのトレーニング頻度について、7割以上が週2回~3回実施していると回答し、ある程度の定着がみられた(Fig.14)。大多数の参加者が連続講座の継続を望んでおり,概ね好評であったと思われる。

  • Fig.13講座を終えていかがでしたか?

    Fig.13 講座を終えていかがでしたか?

  •  Fig.14 今回のトレーニングは現在家で週に何回実施していますか?

    Fig.14 今回のトレーニングは現在家で週に何回実施していますか?

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