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組み立て簡単な段ボールベッドを開発 
災害時の高齢者・障がい者を支援 田中敏明特任教授

  • 先端研ニュース

2013年3月8日

田中敏明特任教授(人間情報工学)は、組み立てが簡単で、高齢者でも寝起きしやすい段ボール製の簡易ベッドを開発しました。 田中特任教授は「災害時の避難所などで役立ててほしい」と話しています。
田中研究室が震災直後、岩手、宮城、福島の3県で高齢者の調査を実施したところ、避難所などでベッドが不足していたため、 高齢者が床から立ち上がる際に腰やひざに負担がかかることが問題となっていました。さらに、高齢者に震災後の必需品について質問したところ、 約7割がベッドを挙げました。田中特任教授は、「簡易式のベッドの充実が今後、仮設住宅や震災直後に必要」と考え、開発に取り組みました。
ベッドは縦2m、横1m。8個の箱を型枠にはめ込んで組み立てます。 車椅子からの移乗がしやすいように車椅子とベッドの高さを調整しベッドからの立ち上がりが容易になるよう手すりをつけました。 また高齢者が座ったり立ったりする時にも使用可能なイスを追加しました。
この新型と旧型の段ボールベッドを利用する際の筋肉の活動を分析したところ、立ち上がりに必要な下肢の筋活動が従来の型に比べ20%減少しました(図1,2)。 さらに段ボールの手すりを使用すると、立ち上がり時の下肢の必要な筋力は10%低下しました。 腰痛、膝痛などを有する高齢者でも比較的立ち上がり座りしやすい条件をつくることができました。
田中特任教授は今後、岩手、宮城、福島の3県の住民らにこのベッドを試してもらい、年内に販売を目指すということです。


図3
田中特任教授が開発した段ボールベッド

図1
図1

図2
図2

共同開発企業:株式会社 日本アビリチーズ社
協力機関:北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 工業試験場
 
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