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意識下の音声操作による感情の変調

  • 研究成果

2016年1月13日

東京大学先端科学技術研究センター 認知科学分野 の渡邊克巳 客員准教授(早稲田大学理工学術院教授)は、フランス国立音響音楽研究所、ルンド大学(スウェーデン)などとの国際共同研究で、音声にオンラインで感情表現を与えることのできるプラットフォーム(Da Amazing Voice Inflection Device: DAVID(*))を開発し、音読中の声に感情フィルタをかけることによって(自分の声が変化していることに気づかない場合でも)感情を変化させることが可能であること明らかにしました。 この結果は、自己の感情知覚における音声フィードバック効果を、初めて純粋な形で示すことに成功したものと言えます。 本研究で用いた音声感情誘導の手法(DAVID)は、音声知覚、感情知覚、自己知覚などに関する実験心理学・認知心理学・神経科学的研究を含めた幅広い研究分野での活用に加え、気分障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの患者にポジティブな感情を誘導するなど医療分野への応用や、ウェブ会議やオンラインゲーム、ライブやカラオケなどのエンターテイメント分野での感情誘導などの応用も考えられます。
本研究成果は、2016年1月11日(米国東部標準時間)に「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載されました。

論文タイトル
“Covert digital manipulation of vocal emotion alter speakers’ emotional states in a congruent direction”
(意識下の音声操作による感情の変調)

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