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研究について

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光で物質が変化する

研究内容 光で物質が変化する フォトニクス材料 教授 宮野 健次郎

光にあたると性質が劇的に変化する。たとえば電気抵抗が1000分の1になり、またもとに戻る。

そんな不思議な現象が起こっているのは、見た目は黒くてなんの変哲もない金属の酸化物。金属と酸素にさらに2種類の元素が結合した物質のなかに、-200℃近くまで冷やしていくと電子が互いに強く関わる状態が生じているものがある。これが「強相関電子系」。

「昔からときどき報告があったようです。しかし、元素の分量が重要だということがわからず、再現性がありませんでした」。現在は元素の割合を1%刻みで変えて測定している。もちろんすべての組み合わせを試すことは不可能だが、多くの試料をつくっては、100ナノメートル(1万分の1ミリ)ほどの薄膜にして、冷やした状態で光をあてる作業を繰り返していく。

まわりを見わたしながら、なりゆきで

薄膜をつくっての研究は4年前に工学部から先端研に移ってから。実験室が広くなり、装置を置くことができるようになった。

宮野教授は、これまでずっと「なりゆき」で研究分野を移ってきたという。工学部から理学系の大学院を受験するも失敗し、就職をしようかと考えていたころ、指導教官からアドバイスをもらった。「「君は会社に務まらないだろう」と、留学を勧めてくれました」。アメリカでの研究生活が10年近くになるころ、東北大学から声がかかった。「とりあえず行ってみて、周りをみわたして何をやろうか考えました」。そして成果を積み重ねてきた。

失敗のデータから新たな発見

最近、新たな発見があった。試料の成分の割合や、光のあて方だけでなく、電気抵抗を測る際の電流の強さを変えると特徴的な性質がみられた。

これまでは、1マイクロアンペアで測っていた。ところが、多くのデータをながめるなかで奇妙なものがたくさん見つかり、電流を変えてみたところ、200分の1の強さ、5ナノアンペアでは、金属の性質が現れる温度が全く異なることが分った。

「このようなおかしなデータがあると、長年取りくんできたベテランの人には「電極のつけ方が悪い」とか言われてしまう」。しかし、学生からの「失敗した」という報告には注意をしなければいけない。さらに、何も言ってこない場合があるから「きのうはどうだった?」と声をかけるようにしている。

宮野先生の写真

「いままで見つけてきたおもしろい現象は、みんな「うまくいきませんでした」という報告から始まっています。そこで、「どれどれ」とデータを見て、一緒にやってみると、とんでもなくおもしろいことが起きているんです」。

物質の小さな小さな窓のどこかには、賢い人が考えてもでてこない、予想もできないことが、まだまだ隠されている。

インタビュアー:住田 朋久

(2005年11月8日)

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