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大気汚染はいまや地球規模の問題

研究内容 大気汚染はいまや地球規模の問題 地球大気環境科学 教授 近藤 豊

中国では大気汚染によって多くの健康被害が生じているといわれています。また北京オリンピックのために、大気環境を改善することが急務となってきました。しかし、これを対岸の火事と看過することはできません。大気汚染は当該国及び隣接国のみならず、地球規模で影響が現れることが最近の研究で明らかになっているからです。大量の化石燃料の使用により、窒素酸化物(NOx)や微粒子(エアロゾル)といった大気汚染物質が発生しています。近藤研究室では窒素酸化物などの光化学反応で生成するオゾン(O3)と、微粒子に特に注目して研究しています。

オゾンがもたらす影響

オゾンは植物の成長を阻害したり、森林を枯れさせたり、農作物の収量を落とすといった問題を引き起こします。中国国内の植生に影響があると、米や大豆、野菜が不作となり、食糧事情に変化が出ることも懸念されます。また、酸化力が強いため、人間の呼吸器にも悪影響を及ぼします。環境省では今後、大陸から流れてくるオゾンによって、日本海側の高山の森林が枯れていく可能性があると指摘しています。さらにオゾンは対流活動によって上空に行くと温室効果気体として働くことが知られています。

近藤研究室は、日本を含む東アジア域を中心として、オゾンの広域分布とその変動の要因を解明することを中心に研究しています。そのために、最先端の大気計測技術を駆使した地上および航空機観測を行い、人工衛星データや3次元化学輸送モデルと組み合わせた解析を行っており、これにより、大気環境変動の正確な将来予測に役立てることを目指しています。

実験の様子

ディーゼルエンジンから発生する微粒子

微粒子とは空気中に浮かんでいる直径数nm(ナノメートル)から100μm(マイクロメートル)程度の粒子を指しますが、これが人間活動によって大量に放出されることが懸念されています。例えば、ディーゼルエンジンの不完全燃焼によって放出される粒子のなかでも特に危険性が高いのが、ブラックカーボンと呼ばれるエアロゾルです。我々はこうしたものを日常的に吸い込んでおり、人体に取り込まれた微粒子はやがて肺胞に沈着し、健康被害を起こす要因となります。またこのエアロゾルはブラックカーボンという名前の通り黒い色をしているために、太陽光を吸収して大気を加熱し、温暖化を促進する効果も有しています。

環境対策と観測データ

教授 近藤 豊の写真

東京で2003年10月からディーゼル車の規制が開始されたことは記憶に新しいかと思いますが、その規制効果についての客観的なデータがまだ不足しているのが現状です。近藤研究室では、ブラックカーボンやそのトレーサー(ある元素の動きを調べるためにマーク(印)をつけられたもの)の観測を長期的に実施し、ディーゼル規制の効果に関する評価方法の確立に向けて、各地の自治体と協力しながら研究を進めています。環境対策をとるのは大切なことですが、しっかりとフォローアップして、効果があるかを確かめることも非常に重要です。これらの実績を基に、2005年11月からは北京でもエアロゾルの高精度の観測を始めており、このデータが北京の大気環境改善のための有効な対策に貢献できると期待されています。

インタビュアー:住田朋久

※タイトル写真は56号館屋上に設置された太陽の放射強度を測定する装置。

(2005年12月21日)

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