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航空決戰必勝の鍵 白鷗會 〔復刻版〕
昭和十八年八月二十日

四、結言

以上をもちまして私の講演を終りますが、之を要するに今次大東亜戰爭こそは断じて勝たねばなりません。而して私が以上申し述べましたる一つ一つが総べて之必勝の鍵でありまして、我々一億國民総力をあげてこれ等の鍵に重大関心を集結し、その各々に於て断然敵を圧倒すべき強力なる航空決戰態勢を作り上げなければなりません。そして何時如何なる方向より如何なる大敵が来襲し様とも断然之を撃破し、大東亜大陸の又大洋の制空權を獲得し、たとへ百年の長期にわたりましても絶對に之を確保し續けて、彼米英の野望を断念せしめ白堊館上勝利の日章旗を打ち立つるの覺悟を持たねばならぬと存じます。

支那事変開戰以来茲に満六ヶ年余、國を擧げて聖戰を續けて居る眞只中に安んじて修學を續ける事が出来るのは何が故であるか? 偏へに大御稜威の賜物であり、傳統に輝く祖國のお蔭であります。何處にこの様な國が有りませうか? 英國を見よ、佛國を見よ、今申し上げました米國を思ひなさい。みたみ我生けるしるし有りの和歌の心がしみじみとしのばれて来るではありませんか。

卒業の日迄しつかり御勉強なさい。そして目出度卒業の暁!! 國家は諸君の卒業の日を待ちかねてゐる。其の時こそ敢然立ち上つて大君の醜の御楯として燦え有る祖國に殉ずべき覺悟を御持ち下さい。この限りなく榮え行く祖國を受け継いで輝く大東亜建設の偉業に邁進せんとする諸君の前途を祝福し、御身体を大事に御勉学を祈つて私の講演を終ります。

御靜聽を感射致します。

――――終り――――

<1996年1月発行 先端研探検団 第二回報告書46頁 掲載>

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