1. ホーム
  2. 研究について
  3. 附属エネルギー国際安全保障機構(エネルギー戦略分野)橋本研究室

附属エネルギー国際安全保障機構(エネルギー戦略分野)
橋本研究室

エネルギー・トランジション時代の新しい価値創造 

1. エネルギー・トランジション時代のエネルギー技術と地政学

カーボンニュートラルを追求していくと、石油の世紀と言われた20世紀型のエネルギー地政学が大きく変化していきます。化石燃料中心の時代に隆盛を謳歌していた産油・ガス国はどうなっていくのでしょうか?また、化石燃料よりもはるかに偏在性が少ない再生可能エネルギーが主力となった場合に、石油に代わって「技術」が地政学を左右する「力の源泉」となっていきますが、どのような技術を、どのように伸ばしていくことが、エネルギー安定供給、温暖化ガス排出削減、エネルギー地政学の安定化を実現するのでしょうか?エネルギー国際安全保障機構を挙げて、この問題に取り組んでいきます。

2. 水素サプライチェーンの技術経済的分析

海外で水素を製造し日本に輸送して利用する水素サプライチェーンについて、水素のコストや炭素排出強度など、技術経済的な分析を行っています。オーストラリア、ドイツ、オランダ、ノルウェーなど海外の研究機関とも連携して、水素サプライチェーンへの理解を一層深めるとともに、水素普及の最大の過大である「高いコスト」を下げるための方策について、政策提言を行っていきます。

3. エネルギーの新しい価値創造

新しい技術を普及させるためにはコストを下げて経済性を改善しなければなりません。一方で、コストが下がって市場規模が広がるとコモディティ化して利益が減り、新たな投資が集まらなくなります。エネルギービジネスにありがちなこのジレンマをどう抜け出していくのか?より高く売れる付加価値の高いエネルギーとはどういうものか?産業界と一緒になってエネルギーの新たな価値について考えていきます。

  • 国際シンポジウムの様子

    国際シンポジウムの様子

  • 水素サプライチェーンの概念図

    水素サプライチェーンの概念図

  • 水素利用の進化

    水素利用の進化

ミニコラム
水素コストの分析は世界中の研究機関が取り組んでいます。経済モデルを使ったコスト分析では、条件の設定や見通しのちょっとした違いで結果が大きく変わります。これは計算を行うモデラ―の考え方の違いにも依るところがあり(私は「モデラ―の信念」と呼んでます)、同じ計算モデル・データを使っても計算結果が異なったり、時には逆の結果が出たりすることがあります。そこで各国の水素コスト分析モデルを集めて比較することで、世界中のモデラ―の信念を見える化しようというプロジェクトが国際エネルギー機関(IEA)の水素技術協力プログラム(H2TCP)で始まりました。各国のモデルを比較し、共通部分や違いを精査していくことでコスト構造を精緻に理解することができ、水素普及の課題であるコストの大幅削減を実現できる方策を提言できると考えています。このプロジェクトは日本が提案して実現したもので、私たちも参加しています。

メンバー

  • 橋本 道雄 教授
  • 専門分野:エネルギー政策、再生可能エネルギー、水素
石本 祐樹 特任准教授

関連タグ

ページの先頭へ戻る