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グローバルセキュリティ・宗教分野 池内研究室

グローバル社会に拡散する多様な宗教と価値規範の間の対立を避け
共存の方法を探求する総合的セキュリティ研究

グローバル化の進展は、人権や民主主義、国境や国民、国際法や主権国家体制といった、近代世界を支えてきた構成要素の多くを揺るがし、再構成を余儀なくさせている。非欧米諸国の台頭や新興技術の台頭も既存の国際秩序に変容をもたらしつつある。これを広い意味での「グローバルセキュリティ」の問題としてとらえ、対処策を考えることが、グローバルセキュリティ・宗教分野の課題である。

宗教・政治思想研究のその先へ

個人や集団のアイデンティティーの根源には、依然として宗教やイデオロギーの影響力が大きい。池内恵教授は2008 年10 月から2018 年9 月まで「イスラム政治思想分野」の独立准教授としてこの問題に 取り組み、「アラブの春」の激動や「イスラーム国」の衝撃など、相次いで生起する事象を根源の思想問題から先駆的に察知し、分析・提言を行ってきた。2019 年には小泉悠特任助教(現 准教授)が加わり、ロシアを中心としたユーラシアの秩序構想にも研究領域を広げた。

ROLESの挑戦

2020 年にはグローバルセキュリティ・宗教分野が中心となって、先端研創発戦略研究オープンラボ(ROLES) を開設。東大内シンクタンクとして、内外の研究者・実務者を広く巻き込み、宗教、地政学、イデオロギー、テクノロジーといったグローバルセキュリティ問題を扱う基盤を形成した。また、ROLES は、戦略・安全保障・国際問題に関わる各国の大学・研究機関とも幅広く連携し、セキュリティ研究における国際的な拠点となっている。

  • 『イスラーム国の衝撃』(文春新書)

    『イスラーム国の衝撃』(文春新書)

  • トルコのイスタンブール安全保障会議でのディスカッション

    トルコのイスタンブール安全保障会議でのディスカッション

ミニコラム
現在の国際問題は、実に複雑で流動的で、これらの諸問題を理解するには、多様なアプローチが必要です。様々な研究者が、研究上で自由に交差し、協力することのできる「オープンラボ」としてROLES を設立しました。「大学内シンクタンク」を銘打ったROLES は、きわめて風通しの良い、ほとんど壁もないような、平たい広い床、あるいは大きな作業机のイメージです。
ROLES は、戦略、安全保障、宗教、地政学、イデオロギー、テクノロジー等の幅広い観点から、「総合的セキュリティ研究」を行ない、国内外の専門家、大学、研究機関、実務者、メディアと幅広く連携して研究を進めてくための「場」です。
ROLES という「場」に、大学の外から、今現在の緊急な国際問題に密接に結びついたさまざまなプロジェクトを呼び込み、社会との接点と相互交流を、積極的に生み出していきます。

メンバー

  • 池内 恵 教授
  • 専門分野:イスラーム政治思想、中東地域研究、国際テロリズム研究
特任教授 国末 憲人

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