研究者一覧

- フェローFellow
- 岸 輝雄KISHI Teruo
- 先端研フェロー
略歴
1969年 4月 | 東京大学先端科学技術研究センター助手、助教授、教授 |
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1995年 4月 | 東京大学先端科学技術研究センター センター長 |
1997年 4月 | 通商産業省工業技術院産業技術融合領域研究所長 |
2000年 5月 | 東京大学名誉教授 |
2001年 4月 | 独立行政法人物質・材料研究機構理事長 |
2003年 7月 | 日本学術会議副会長 |
2007年 4月 | 日本工学会会長 |
2009年 7月 | 独立行政法人物質・材料研究機構顧問 |
2013年10月 | 新構造材料技術研究組合理事長 |
2013年12月 | 内閣府政策参与 科学技術政策・イノベーション担当 |
2015年 9月 | 外務大臣科学技術顧問(外務省参与) |
2019年 3月 | 東京大学先端科学技術研究センターフェロー |
研究分野
宇宙・航空、ドローン、ロボット、そしてバテッリーの重量増に直面する電気自動車の分野では、これらシステムを構成する構造材料の軽量化、すなわち革新的構造材料の開発が強く要請されている。一般に、材料の強度を高めると、延性・靭性の値は低下する。この二律相反を克服するのが「フェールセーフマテリアル(マイクロクラック形成により局所応力集中を開放して巨視的な破壊を防ぐ)」の原理である。
巨視き裂進展の前にマイクロクラックが発生することを、アコースティック・エミッション(AE)手法で捕え、その数が多いと破壊靭性が上昇する材料を見出している。高い強度を維持しながら、このようなマイクロクラックを導入するのは、金属、セラミックでは小さな壊れやすい粒子の分散や不均質微視組織の導入にある。また複合材料では、母材への壊れやすい粒子添加や、繊維と母材界面の制御が重要である。
これらの原理を実践すべく、チタン合金、セラミック基複合材料において針状組織の導入、不均一分散粒子の導入により、高強度、高靭性の材料開発に成功した。近年、この原理に基づき、延性・靭性を落とすことなく、強度1.5GPa-1.8GPaの超超高張力鋼、800MPa超超ジュラルミン、そして高強度・高靭性な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの開発を進め、新たな自動車用、航空機用材料の実用化につながっている。社会実装を確実に実現し、産業競争力への寄与が大きい。
外務省の顧問としてまず人材のネットワークづくりを進めている。日本の優れた科学技術は二国間協力などを通じて途上国などが抱える課題を解決し、国際協力を主導することで地球規模の問題も克服し、外交手段に生かせば、国際社会における日本の存在感を高める。国際的な共同研究などを通じ、相手国の研究者や技術者らの育成にもつなげ、高度人材を育成することで持続的な成長となり、日本の開発援助の基本的な考え方と合致させている。
巨視き裂進展の前にマイクロクラックが発生することを、アコースティック・エミッション(AE)手法で捕え、その数が多いと破壊靭性が上昇する材料を見出している。高い強度を維持しながら、このようなマイクロクラックを導入するのは、金属、セラミックでは小さな壊れやすい粒子の分散や不均質微視組織の導入にある。また複合材料では、母材への壊れやすい粒子添加や、繊維と母材界面の制御が重要である。
これらの原理を実践すべく、チタン合金、セラミック基複合材料において針状組織の導入、不均一分散粒子の導入により、高強度、高靭性の材料開発に成功した。近年、この原理に基づき、延性・靭性を落とすことなく、強度1.5GPa-1.8GPaの超超高張力鋼、800MPa超超ジュラルミン、そして高強度・高靭性な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの開発を進め、新たな自動車用、航空機用材料の実用化につながっている。社会実装を確実に実現し、産業競争力への寄与が大きい。
外務省の顧問としてまず人材のネットワークづくりを進めている。日本の優れた科学技術は二国間協力などを通じて途上国などが抱える課題を解決し、国際協力を主導することで地球規模の問題も克服し、外交手段に生かせば、国際社会における日本の存在感を高める。国際的な共同研究などを通じ、相手国の研究者や技術者らの育成にもつなげ、高度人材を育成することで持続的な成長となり、日本の開発援助の基本的な考え方と合致させている。
キーワード
高信頼性材料、破壊、非破壊評価、アコースティック・エミッション