令和8年度工学系研究科先端学際工学専攻秋季入学式を挙行
- 先端研ニュース
2026年10月15日
10月1日(木)、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻の秋季入学式が挙行されました。
はじめに、先端学際工学専攻常務委員の小関泰之教授(光量子イメージング分野)より祝辞が述べられました。
小関教授は、科学技術の進歩が私たちの生活や学び、研究のあり方に新たな可能性を開いており、人工知能(AI)が日々の仕事の一部となりつつあることについて語りました。続いて、AIの進歩は、コンピューター科学だけでなく、半導体、材料、安定したエネルギー供給、その利用を導く公共政策にも支えられており、新しい技術の恩恵を実現するには、異なる専門性を持つ人々が協働する必要があると説明しました。また、AIによって情報にアクセスしやすくなる時代において、自らの専門性を深めることが重要であり、それによって根拠を評価し、意味のある問いを見いだし、分野を越えた議論に自らの知見を加えることができるとしました。
さらに小関教授は、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざを紹介し、問いを発することの重要性について触れました。AIによって、なじみのない分野について質問することは容易になりましたが、一方で、人との会話だからこそ得られる機会もあると指摘しました。研究者に直接問いかけることで、その問題がなぜ重要なのか、何を難しいと感じているのか、何に心を動かされているのかを知ることができます。また、異なる分野の人からの素朴な問いが、新たな思考の方向を開き、ときには共同研究の始まりにもなり得るとして、好奇心を持ち、自由に問い、互いに学び合ってほしいと入学生に呼びかけました。(原文英語)
東京大学先端科学技術研究センター(先端研)の杉山正和所長(エネルギーシステム分野)は、自らとは異なる分野で研究する専門家を尊重できる専門家になることの重要性を強調しました。専門家とは、既存の知識を知っているだけの人ではなく、その学問分野で忘れられていたことや見過ごされてきたことを見つけ、まだ誰も見たことのない新しいものを見いだすことのできる人であると説明しました。そして、それは博士課程で学生が培うべき力であるとしました。また、さまざまな分野の人材によるネットワークと、異なる分野の専門家同士が深くコミュニケーションする力こそが、学際的なアプローチの真の成果になると語りました。
続いて杉山所長は、既存の知識体系の中から新しいものを見いだすために必要な「独自のアンテナ」について話しました。AIから十分な回答が得られたとしても、その背後に「何かが欠けている」と気づく必要があると指摘しました。また、美しいもの、美しい風景、同僚との美しい会話を見いだす力を「美しさを感じる感覚(sense of beauty)」と表現し、そのような感覚が、新しいものを本当に見いだすことにつながる可能性があるとしました。とりわけAIの時代にこの感覚を育ててほしいと学生たちに呼びかけ、それが一人ひとりの科学の旅、社会、そして先端研そのものを豊かにしていくことへの期待を示しました。(原文英語)

入学生にメッセージを贈る先端学際工学専攻常務委員の小関泰之教授

学生に語りかける東京大学先端科学技術研究センターの杉山正和所長

