日本域4次元高機能気象データの整備及び利活用研究の推進を目的とした東京大学と気象庁の共同研究契約の締結について
- プレスリリース
2021年9月28日
東京大学(先端科学技術研究センター/情報基盤センター)と気象庁は、近年の気候変動・異常気象に対する社会のレジリエンス向上に資するため、日本域4次元高機能気象データの整備、及び地域気象データの利活用研究の推進を目的とする共同研究を2021年9月28日より開始いたします。
近年、地球温暖化に伴う気象関連災害リスクが高まりつつあることが懸念されています。こうした中、将来の安全・安心な社会を実現するには、過去の日本域の気候変動や異常気象に関する地域特性も含めた詳細な分析や、それに基づく今後の気象関連災害のリスクの増大への対策の基盤となる、過去から現在までの日本域における大気状態を高い時間・空間解像度で再現した地域気象データを整備することが必要です。
そこで本共同研究では、気象庁が保有する過去の多様な観測データと最新の数値解析予報システムをもとに、東京大学情報基盤センターの最新鋭スーパーコンピュータ(Wisteria/BDEC-01)を用いて、日本域における近年の大気状態を高い時空間解像度で再現する「日本域気象再解析データ」を作成します。この新しいデータとその作成に伴い再処理された気象データが、近年日本各地で起きた気候変動・異常気象の詳細な分析や、地域気候シナリオのさらなる改善にも繋がり、各地域における今後の防災・減災対策の立案に役立つほか、農業や再生可能エネルギー、保険、交通・物流の運用改善など、我が国の重要な社会課題に産学官公連携で取り組むための基盤データとして、広く利活用されることを目指します。
なお、本共同研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)共創の場形成支援プログラム「地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点 (ClimCORE)」(プロジェクトリーダー:東京大学先端科学技術研究センター 中村尚教授)の下で進められます。
共同研究概要
- 実施期間
- 2021年9月28日~2026年3月31 日
- 研究名称
- 日本域4次元高機能気象データの整備及び気象データの利活用研究の推進
- 研究目的
- 日本域4次元高機能気象データの整備、気象データの社会各分野、各地域での利活用の促進
- 研究内容
- (1) 日本域4次元高機能気象データ(日本域気象再解析データ)の作成
(2) 地域気象データの利活用と産学官公共創システムの構築 詳細は添付説明資料を参照
気象庁 長官 長谷川 直之
ビジネスや研究を含めた気象業務がさらに発展していくためには、産学官が、その力を結集して連携することが欠かせません。今回、東京大学を中心として、産学官連携の利点を活かした共同研究が立ち上げられ、当庁もそれに貢献できることに感謝しています。この共同研究により整備される気象データや共創の枠組みは、今後の防災・減災対策をはじめ、我が国の重要な社会課題に気象を中心とした様々な側面から取り組むための基盤として、広く利活用されるものになると確信しています。
東京大学先端科学技術研究センター 副所長/教授
地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点 プロジェクトリーダー 中村 尚
今回の共同研究においては、気象庁との緊密な連携の下、日々の天気予報で培われてきた資産や技術、知見を活用して、地域気象に関するビッグデータを拡充させ、その利活用研究を進められることを嬉しく思います。本共同研究により、気候変動・異常気象の詳細な分析のみならず、我が国が直面している地球温暖化対策などに関わる様々な課題解決に、産学官公の共創で取り組んで貢献できるよう推進してまいります。
問い合わせ先
東京大学先端科学技術研究センター 広報・情報室 村山
気象庁 総務部企画課技術開発推進室 上出
【東京大学情報基盤センターおよびスーパーコンピュータについて】
東京大学情報基盤センター 広報担当 大林
添付資料
気象庁と東京大学(先端科学技術研究センター/情報基盤センター)との共同研究について (PDFファイル:451KB)
記念写真(左:気象庁 長官 長谷川 直之、右:東京大学先端科学技術研究センター 副所長/教授 中村 尚) (ファイル:584KB)