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別所 毅隆特任講師がPVSEC-29においてBest Paper Awardを受賞

  • 受賞

2019年11月28日

別所毅隆特任講師(附属産学連携新エネルギー研究施設)が、The 29th International Conference on Photovoltaic Science and Engineering (PVSEC-29)において、Best Paper Awardを受賞しました。
PVSECは、アジア・太平洋地域で開催される太陽光発電に関する国際学会で今回が29回目の開催です。

受賞した研究の概要:

有機金属ハライドペロブスカイト結晶は塗布乾燥により作製出来る半導体材料であり、近年その優れた光電変換特性を活用した太陽電池への応用研究が世界中で盛んに行われています。これまで希少金属であるセシウムやルビジウムをペロブスカイト結晶に添加することにより、太陽電池の発電能力が高まり、より安定に発電できるようになりました。本研究では、安価かつ無毒で一般的に人間の生活で使用されているカリウムに注目し、その添加技術の開発に取り組んだ結果、材料の低コスト化だけでなく、カリウム添加による結晶粒界の解消効果を見出し、ペロブスカイトの伝導帯位置が浅くなることで電荷分離が促進されることを明らかにしました。その結果、本業界で重要な課題であった異なる電圧掃引方向における光電流値の不一致(ヒステリシス)の解消に成功し、その効果はペロブスカイト材料の組成によらず普遍的であることを発見し、20%を超える発電特性を再現性高く得られることを明確にしました。

受賞コメント:

光電変換技術に関する著名な学会であるThe International Conference on Photovoltaic Science and Engineering (PVSEC)の第29回会議にて、Best paper Awardにご選出頂き、大変光栄です。ご指導頂きました先生方、ご協力頂きました研究員の方々、研究資金のご援助を頂きましたNEDOなど、数々のご支援により、研究を推し進めることが出来ました。真に有難うございました。

別所特任講師
Best Paper Awardを受賞した別所毅隆特任講師


<文献情報>
Z. Tang, T. Bessho, H. Segawa, et al. Sci. Rep., 7, 12183 (2017).
Z. Tang, S. Uchida, T. Bessho, H. Segawa et al. Nano Energy, 45, 184–192, (2018).

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