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抗原抗体界面における塩橋構造の研究:がん治療薬への応用にも期待

  • 研究成果

2021年2月10日

  • Environmental Effects on Salt Bridge Stability in antigen - antibody Interface

    図:抗原(卵白リゾチーム)- 抗体(HyHEL-10)の界面にある三つ組塩橋構造。周囲のアミノ酸環境により、安定性が制御されている。 J. Phys. Chem. B 2021

  • 東京大学先端科学技術センター ニュートリオミクス・腫瘍学分野 山下雄史特任准教授らの研究チームは、卵白に含まれるリゾチームとその抗体HyHEL-10に含まれる三つ組塩橋構造の要素を解析することに成功しました。
    本研究にて得られた知見は、がん等の抗体医薬品設計に役立つと期待されます。

    【概要】

    研究チームはこれまでの研究において、双子の塩橋(3つ組塩橋:salt bridge trio)の安定化が、界面の微小な変化を増幅する構造モチーフであることを見つけましたが、どのような要素が塩橋を安定化しているのかは不明でした。(2019年1月7日プレスリリース:抗体医薬品設計の新しい戦略!~役立たずの“アラニン”が抗体の力を強くする~

    本研究では、MDシミュレーション(分子動力学シミュレーション)を使って安定化要素をあぶり出す手法を提案し、HyHEL-10抗体でデモンストレーションを行いました。その結果 Tyr や Trp のような疎水性残基が意外に大きな役割を持っていることがわかりました。
    また、本研究成果に基づき今後、変異の効果を物理的に分離して議論することを可能になりました。

【論文情報】
雑誌名:
The Journal of Physical Chemistry B
論文タイトル:
Environmental Effects on Salt Bridge Stability in the Protein-Protein Interface: The Case of Hen Egg-White Lysozyme and Its Antibody, HyHEL-10.
著者:
Okajima R, Hiraoka S, Yamashita T
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