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階段昇降装置 IKOO - 歴史建築物に共存したセルフリフトがIAUD 国際デザイン賞 2023銀賞を受賞

  • 受賞

2024年3月8日

2024年2月20日、先端研13号館に設置された階段昇降装置 IKOOがユニバーサルデザインの国際的な賞であるIAUD国際デザイン賞2023銀賞を受賞しました。

【受賞対象】
作品名:階段昇降装置 IKOO - 歴史建築物に共存したセルフリフト

歴史建築物の価値を生かした単独で利用可能な階段昇降機の開発デザイン。
外観デザインにおいて利用者の心理を考慮し、機能的かつ環境に調和した形状、素材、色彩の提案を行い、車椅子を利用する研究者によるユーザビリティ評価を最大限に尊重した階段昇降機の開発を行っている。歴史的建造物の一角に溶け込みその価値を生かすよう、建物の歴史背景にある19-20世紀の和洋折衷建築思想を踏襲したデザインとし、利用者の環境的調和も考慮している。東京大学先端科学技術研究センター13号館屋外北西階段に設置されている。

デザイン:
伊藤節 特任教授 / 東京大学先端研・先端アートデザイン分野
伊藤志信 特任准教授 / 東京大学先端研・先端アートデザイン分野
熊谷晋一郎 准教授 / 東京大学先端研・当事者研究分野
並木重宏 准教授 / 東京大学先端研・インクルーシブデザインラボ

協力:株式会社バリアフリーカンバニー

制作:大同工業株式会社(石川県)

【受賞理由】
ユニバーサルデザインを考慮した特注リフトの研究、ユーザー参加、デザインは、ユーザー・インターフェースのあらゆる面(ボタン、セーフティーバー、音声コミュニケーション)に注意を払い、反復的なユーザー・テストを行ったことが評価されました。

【受賞コメント】
伊藤節特任教授:私たち自身が築き上げたこの複雑な社会の中で、私たちはインクルーシブな社会のためのデザインを行う責任を持っています。今回専門の異なる様々な皆様の力を結集してできたIKOOセルフリフトがIAUD国際デザイン賞を受賞できたことへの感謝を込めて、今後益々皆様と結束してインクルーシブデザインを進めて参りたいと思います。

伊藤志信特任准教授:IAUD国際デザイン賞の受賞、大変光栄です。デザイナーと製作会社の2 者でなく、専門性の高い他分野の皆さまと話し合い、 協力して作り上げたものの価値は非常に大きいと思います。このプロジェクトに関わった皆様に感謝しております。 デザインを通して、様々な分野で境界を超えた融合価値が認められ、求められてきていると感じました。

熊谷准教授:望む時に望む場所へ移動できることは、人間にとって根源的な「自由」の条件です。加えて環境と調和し、世界に歓迎されつつ移動できたら、誇らしさの感覚も伴います。そんな移動を可能にするIKOOは、デザイン、技術、経験の3領域が交差して生まれた昇降機。支えて下さったすべての方に改めて感謝を届けたいと思います!

並木准教授:昇降機本体や操作盤などのデザインに関するアイデアを出すユーザーとして、設計の最初の段階から参加させていただきました。今回の事例が、観光施設など各地のバリアフリー化につながることを願っています。

  • 今回受賞した階段昇降装置
  • 今回受賞した階段昇降装置(撮影:世利之)
     
  • 階段昇降機ディテール(撮影:世利之)
  • 階段昇降機ディテール(撮影:世利之)
  • (左から)伊藤志信特任准教授、熊谷准教授、伊藤節特任教授
  • (左から)伊藤志信特任准教授、熊谷准教授、伊藤節特任教授
     
  • (左から)杉山所長、熊谷准教授、並木准教授、大同工業の谷野開発部長(肩書は2022.12.23撮影当時)
  • (左から)杉山所長、熊谷准教授、並木准教授、大同工業の谷野開発部長(肩書は2022.12.23撮影当時)

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