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生命科学研究を推進するロボティック・クラウド・バイオロジー構想

  • 研究成果

2017年4月20日

東京大学先端科学技術研究センターの谷内江望准教授(合成生物学分野)の研究チーム、産業技術総合研究所、理化学研究所、ロボティック・バイオロジー・インスティテュート社ら国内外30機関の研究者及び技術者ら約60名が参加する国際コンソーシアムRobotic Biology Consortiumによる、ロボット群衆によって生命科学実験を推進するコンセプト「ロボティック・クラウド・バイオロジー」が 4月11日にNature Biotechnology誌に掲載されました。

現代科学では、実験プロセスを記述するための記法は一切定義されておらず、再現不可能な実験や研究結果の捏造が見逃されることがあります。また、特に生命科学においては、大規模先端装置の利用や大規模データ計測が求められる研究が多くありますが、大規模先端装置は常に稼働状況にあるものは少なく、余剰資源を生み出します。大規模データ計測は多くの人的リソースを必要とし、研究者の頭脳リソースは必ずしも最大化されていません。さらに、HIVやエボラ出血熱、放射性同位体といったようなセイフティレベルの高い実験が必要とされる一方で、それに従事する研究者の心理的ハードルは低くありません。

本論文ではこれらの問題を解決し得る次世代の方向性として、産業技術総合研究所創薬分子プロファイリング研究センターを中心に開発された汎用ヒト型生命科学実験用ロボット「まほろ」の有効性が示されると共に、当研究所の谷内江准教授が提唱するロボット群衆によって生命科学実験を自動化するコンセプト「ロボティック・クラウド・バイオロジー」が議論されました。

論文情報

Robotic crowd biology with Maholo LabDroids別ウィンドウで開く

Nozomu Yachie, Robotic Biology Consortium & Tohru Natsume
Nature Biotechnology 35, 310–312 (2017)

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