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生物多様性・生態系サービス分野 森研究室

生物多様性の維持メカニズムと公益性を定量化する基礎及び応用研究

当研究室では、『生物多様性の原因と結果を探る』ための基礎と応用の生態学に注視しています。そこで、野外フィールドでの観察や操作実験、統計モデルや数理計算、さらには社会アンケートといった多様なアプローチに基づいて研究活動を展開しています。

とくに、陸域生態系の維管束植物や節足動物、真菌などの生物相を対象に、局所的に共存する生物集団のメンバー構成を決めている主要因を、「偶然性」と「必然性」の双方から探る基礎研究を行っています。そして同時に、生物多様性が支える機能性、人間社会への公益性について、理論的理解の深化と実社会への実装を目指した応用研究を実施しています。

自然からの人間社会への恩恵は、生態系サービスとして知られています。ただ自然があれば良いわけではなく、生物多様性の高いシステムほどに様々な生態系サービスが高まることが知られています。たとえば、樹種多様性に富む森林ほどに、樹木の一次生産を介した炭素吸収が高まり、結果として気候変動緩和に繋がることを定量的に示してきました。このような『生物多様性が生態系サービスを支える』という現象の背景にあるメカニズムを解くための研究を実施しています。そして、一連の知見を実社会に実装することで、気候変動をはじめとする多くの社会環境問題の解決に対して、生物多様性が持つ価値を示すことを目指しています。

  • 知床国立公園の天然林

    知床国立公園の天然林

  • 高山ツンドラでのフィールドワーク

    高山ツンドラでのフィールドワーク

  • 高緯度北極圏エルズミア島での調査キャンプ

    高緯度北極圏エルズミア島での調査キャンプ

ミニコラム
生物多様性という言葉が少しずつ社会に浸透しつつあると感じます。しかし、その実態についてはまだまだ未開の領域です。私たちの研究室では、自然界で生物多様性がどのようにして成り立っているのか、そして、生物多様性が自然界の機能性をどのように担保しているのかについて、理論に根差した研究を行っています。生態系が生態系たるものとして機能することで、自然の摂理が保たれます。
その結果として、私たちが必要とする「自然の恵み」が守られます。自然から受けている恩恵には、たとえば森林が炭素固定をする、それにより温暖化緩和につながるといった現象が挙げられます。この機能性は様々なレベルの多様性を必要とします。自然の仕組みを学ぶという基礎科学、そこから社会へのつながりを解くという応用科学に取り組んでいます。

メンバー

  • 森 章 教授
  • 専門分野:生態学、森林科学、サステナビリティ科学、自然資本、資源管理学
助教 西澤 啓太

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