研究者一覧

- 教授Professor
- 角野 浩史SUMINO Hirochika
- 地球環境化学 分野
略歴
1996年 3月 | 東京大学理学部化学科 卒業 |
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1998年 3月 | 東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程 終了 |
2000年 9月 | 東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程 退学 |
2000年10月 | 東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設 助手(2007年4月より助教) |
2001年 4月 | 博士(理学)取得(東京大学) |
2015年 4月 | 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系 准教授 |
2020年 4月 | 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系 准教授 |
2022年 2月 | 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系 教授 |
2022年 4月 | 東京大学先端科学技術研究センター 教授 |
研究分野
現在の地球環境を作るに到った地球の形成・進化過程の理解を目的として、隕石や地球深部由来の岩石・鉱物などに含まれる希ガスをはじめ揮発性の高い元素の濃度と同位体の個数の比(同位体比)を調べる、同位体宇宙地球化学・環境化学的研究を行っています。とくに地球を生命の星たらしめている水の起源や循環過程を明らかにすることを目指しています。
希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)の同位体はさまざまな起源をもつため、天然試料の起源や履歴の解明に有用なトレーサーです。しかしそのほとんどは極めて微量なため、分析には高度な技術が必要です。私たちは独自に開発した最先端の質量分析計を用いて、固体・液体・気体を問わずあらゆる試料の超高感度希ガス同位体分析を可能にしています。
火山とその周辺で見られる噴気や温泉水中のヘリウムの同位体比は、噴火災害を引き起こすマグマの活動度の指標となります。また火山の過去の噴火履歴は、他の元素の放射壊変や地表での宇宙線照射により岩石中で生じた、ヘリウムやアルゴンの同位体から知ることができます。さまざまな火山噴出物の希ガス同位体比をもとに、噴火の切迫度の評価と噴火後の推移予測を試みています。
地下水がどこから、どれだけの時間をかけて流れてきたかは、水資源としての地下水の量や安全性を評価する上で重要です。水素の放射性同位体であるトリチウムと、ヘリウムの同位体である3Heの分析から地下水の年代を求め、地下水の水質(溶存イオン濃度)や水を構成する酸素と水素の同位体比と組み合わせることで、地下水の流動系を明らかにすることができます。
本研究室は希ガス同位体分析を主なツールとして過去と現在、そして未来の地球環境変動の理解を深め、社会が直面する地球規模の課題解決に貢献していきます。
- 図1:希ガス同位体分析用の磁場セクター型質量分析計
- 図2:地球深部由来の天然ダイヤモンド
- 図3:噴気からの火山ガス試料採取の様子
受賞
- 2013年12月 地球化学研究協会 進歩賞
- 2017年 5月 日本質量分析学会 奨励賞
キーワード
地球宇宙化学、環境化学、同位体、質量分析、放射年代測定、火山モニタリング
大学院・専攻
- 総合文化研究科 広域科学専攻
- 理学系研究科 化学専攻
- 工学系研究科 先端学際工学専攻