研究者一覧
- 教授Professor
- 栁下 祥YAGISHITA Sho
- 脳機能素子医科学 分野
- syagishita
g.ecc.u-tokyo.ac.jp
- URL
略歴
| 2008年 3月 | 東京大学医学部医学科卒業 |
|---|---|
| 2008年 4月 | 茨城県立中央病院 初期臨床研修医 |
| 2009年 4月 | 東京大学医学部附属病院 初期臨床研修医 |
| 2010年 4月 | 東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻 |
| 2011年 4月 | 日本学術振興会特別研究員 (DC1) |
| 2013年 4月 | 東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター構造生理学部門 特任助教 |
| 2016年 4月 | 東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター構造生理学部門 助教 |
| 2016年 9月 | 博士(医学)取得(東京大学) |
| 2018年 5月 | 東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター構造生理学部門 講師 |
| 2026年 6月 | 東京大学先端科学技術研究センター 教授 |
研究分野
人間の高度な脳機能は、無数の神経細胞が作るネットワークによって生み出されています。当研究室が着目しているのは、このネットワークを形成する機能素子です。神経細胞同士の接続点であるシナプスが代表的な機能素子であり、多様な情報を統合し回路の記憶素子として作動します。脳部位ごとに異なる機能特性を持つ素子が集まり、脳全体として協調することで学習や記憶、感情といった高度な脳機能が実現されています。近年著しい発展を遂げている人工ニューラルネットワークモデルと脳の決定的な違いは、この脳機能素子自体が持つ特性の複雑さと多様性にあります。
当研究室では、この脳機能素子が実際にどのように作動しているのかを探索するため、生体内で見られる各種の複雑な信号の処理機構を、脳標本で実験的に再現します。特に、2光子励起顕微鏡をはじめとする最先端のイメージング技術を駆使することで、単一の機能素子の動態から細胞集団のネットワーク特性までを扱います。この得られた特性の個体の行動的意義を明らかにすることで、分子・細胞・行動をつなぐ多階層的な研究を推進します。学習や意欲の制御を担うドーパミンやセロトニンなどのモノアミンや免疫系サイトカインが脳機能素子に作用する特性に興味を持っています。
さらに、これらの脳機能素子の特性から、精神疾患をはじめとする脳機能の変調を紐解くことも私たちの重要な使命です。精神疾患は、遺伝的要因と環境的要因の相互作用として、「社会と脳の間」で生じる複合的な障害です。脳機能素子の特性には発達や経験に基づく個体差が存在します。私たちは、この「個体の特性」と、その個体が置かれた環境において求められる処理特性との間に生じる「不調和」として捉えることで、精神の不調が理解できると考えています。この仮説を動物モデルを用いて要素ごとに検証し、ヒトの病態解明へと結びつける橋渡し研究を推進していきます。

受賞
- 2015年 日本神経回路学会 論文賞
- 2015年 Young Researcher Award, Asia Pacific Neural Network Assembly (APNNA)
- 2022年 日本神経科学会奨励賞
- 2023年 Best Teacher’s Award(東京大学医学部)
- 2026年 1月 日本医療研究開発大賞 AMED理事長賞
キーワード
情動学習、シナプス可塑性、モノアミン、精神疾患
大学院・専攻
- 工学系研究科 先端学際工学専攻

