寄付研究部門 先端物流科学
物流業界の抱える課題に対する科学的手法や先端技術によるソリューションの提案
近年、e コマースの台頭や配送ニーズの多様化により物流需要が急増する一方で、労働人口の減少やコンプライアンス強化、働き方改革といった社会環境の変化により人手不足や人件費の高騰などが大きな課題となっています。こうした中、自動化や無人化による省力化、高度なシステム化による効率化が、重要な鍵となっています。しかしながら、業界にはこういった先端科学技術の活用ができる理系 人材がまだまだ少なく、また大学での教育も不足しているのが現状です。
日本の有力な物流会社3 社の寄附によって設置された本研究部門では、サイエンスから物流を構築できる人材の育成と輩出を目指し、サプライチェーン全般、物流課題解決に有用な先端技術とその応用などの教育を推進します。実施する講義のカリキュラムには、需要予測、ルート最適化、在庫管理など、実践的な物流課題に対する数理科学の適用に関する内容だけでなく、産業界や官公庁から講師 を招き、現場での取り組みについても学ぶ機会を提供しています。
加えて、物流が抱える様々な課題に関して、数理モデリングや最適化、機械学習などの数理科学手法を用いたソリューションの研究を行なっています。具体的には、サプライチェーンの最適化や、在庫戦略の最適化、配送トラックのルート最適化などといった従来の物流科学のトピックはもちろん、衛星画像やドローンから取得したデータを活用した新しい物流研究手法の提案や、次世代型のネットワーク物流システムの実現に向けたシステム頑強性や効率改善のための基礎理論の構築も進めています。また、産業界との共同研究プロジェクトでは、消費者行動の分析や、実際の配車最適化といった社会の実問題を解決する応用研究も実施しています。
これらの取り組みを進め、今後ますます重要性が高まる物流分野において、数理科学の知見を生かした新しい研究を実施することで、物流業界の課題を解決するため提言を行なっていきます。
先端科学で物流の未来を創る
新しいロジスティクスネットワーク=デマンド・ウェブ・モデル
連携機関
- ・ヤマトホールディングス株式会社
- ・SBSホールディングス株式会社
- ・鈴与株式会社
- ・NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社
- ・日本政策投資銀行
メンバー
西成 活裕 教授
江崎 貴裕 特任講師
研究室ホームページ
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