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グローバル合意形成政策分野 武見研究室

科学技術の展開と地政学的影響を見据えた国際的な諸課題の解決へ

新興分野も含む科学技術の発展は、AIやサイバー分野にみられるように様々な面から新たな課題を呈しています。複雑化する安全保障環境を前提とした経済安全保障を含む地政学的な含意や影響はこの代表例であり、さらに国内外のガバナンス上の課題も顕在化しています。また、このような新たな競争環境下において日本の科学技術力の基盤強化の方策が問い直されています。本研究室では、これらの諸課題の解決を念頭に、世界各国の協力パートナーと連携しながら、以下の分野を中心に研究を行っています。また、Economic Security and Policy Innovation Programを運営し、学術研究、政策提言及び問題解決の架橋を図っています。

1.グローバル合意形成政策

国境を越える諸課題に対応するための調整行動や合意形成、及びその履行確保に関する研究。問題の背後にある政治力学に着目しつつ、国際社会における日本の役割も重点的に分析する。国際政治上の力学が顕在化しやすい新興技術(AIやsynthetic biologyを含む)の国際標準化分野や新時代の情報収集戦略等の分析及び提言に注力するとともに、宇宙分野など、具体的なガバナンスメカニズムが構築の端緒にある分野にも展開する。また、公衆衛生分野を含む、これらの新たな課題への対処を実現するための国内の政策強化方法についても検討する。

2.経済安全保障政策

(a) 経済安全保障と技術外交の融合をテーマとした、Quad(日米豪印)など多国間枠組みにおける戦略的技術連携やサプライチェーンの強靱化等に関する政策動向及び戦略的意義に関する研究。Quad産官学連携フォーラムであるSan Diego プロセスの共催をはじめとする多くの国際会議や国際的パートナー、産業界パートナーとの連携を通じ、最新の国際情勢を反映した政策実装にも貢献する。
(b) 主として経済的な手段によってわが国の安全を確保するための政策と、それを実現する法制度の研究。具体的には、(i)日本の国益及び研究環境確保を展望した科学技術の国際交流 (ii)営業秘密保護法制の強靱化と技術流出問題への対応 (iii)経済安全保障法制の発展と合理化(特定重要物資、能動的サイバー防御等)(iv)経済安全保障のための法制度強化(国や地方の調達、出入国管理、情報機関との連携、安全保障貿易管理等)に注力する。

3.科学技術政策

日本の科学技術力の基盤強化に向けた政策に関する研究。産学連携を含むイノベーションエコシステムの動態及び投資戦略を中心に分析するとともに、国際的な競争と協調の時代における日本の戦略的な「強み」の特定とこの強化を企図し、必要とされる政策的な選択肢について検証する。

4.知的財産に関わるルール形成

イノベーションと「国益」保護を展望した知的財産法に関わる発展的研究。AIに関わる知的財産ルールの形成、国境を越える知的財産権、損害賠償額の算定方法、訴訟における証拠収集、商標の品質保証機能と商標権の権利範囲、権利者不明著作物問題、また医薬品産業におけるイノベーション促進のための制度のあり方などについて、研究を進める。

 米国保健政策専門家代表団の訪問

米国保健政策専門家代表団の訪問
(Photo credit: Sasakawa Peace Foundation US)

QUAD Critical and Emerging Technology Forumにおける発表

QUAD Critical and Emerging Technology Forumにおける発表

QUAD Critical and Emerging Technology Forum主催チームにて

QUAD Critical and Emerging Technology Forum主催チームにて

先端研ゼミスペース

先端研ゼミスペース

ミニコラム
国境を超える問題の対応には国際的な調整が不可欠ですが、強制力に乏しい国際的な社会において対応能力を維持することにはいつも困難が伴います。さらに、地政学的な課題の複雑化によって、国の利益を適切な形で確保することが困難になっています。弊研究室メンバーは、法務、国際機関、欧米シンクタンクなど様々な角度からの実務経験も踏まえ、こういった問題の解決策について研究しています。また、Economic Security and Policy Innovation Programを立ち上げ、 国際会議の主催や世界各国の連携シンクタンク、産業界のパートナーを含む多くのチームとも連携しながら、新興科学技術分野のようなまだ答えのない分野における政策的なコミットメントについて、積極的に提言を行っています。楽しく実態に根差した研究ができるよう、また将来にそのような経験が活かせるよう、様々な工夫をしています。ご関心のある方はぜひ一緒に働きましょう!

メンバー

  • 武見 綾子
  • 専門分野:政治学、行政学、国際行政学

  • 玉井 克哉
  • 専門分野:知的財産法・ルール形成戦略

  • 川井 大介

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