グローバル合意形成政策分野 武見研究室
複雑化するグローバルな諸課題の解決へ、ガバナンスの改善を通じたアプローチの研究
昨今多くの課題は国境を超え、これらへの対処は国際的な協調行動ないし調整なしには困難です。さらに、新興分野も含む科学技術の発展は、AIやサイバー分野にみられるようにガバナンス態様のさらなる複雑化を招いています。
本研究室では、グローバルな課題、また複雑化する諸課題への対処を念頭に、以下の分野を中心に研究を行っています。
1. グローバル合意形成政策
新型コロナウイルス問題などのように、国境を越える諸課題に対応するための国際的調整行動や合意形成、及びその履行確保に関する研究。経済安全保障の確保・強化への思惑を含む背後にある政治力学に着目しつつ、日本の役割も重点的に分析する。また、こういった課題へのアプローチの前提となる情報収集の動態及びその利活用に関わる政策・規制について検討する。
2. 科学技術政策
日本の科学技術力の基盤強化に向けた政策に関する研究。特に1.グローバル合意形成政策で検討した日本の役割等を踏まえ、産学連携を含むイノベーションエコシステムの動態及び投資戦略を中心に分析する。
3. 知識・研究の政策活用
政策形成プロセスにおける、知識ないし情報の利活用に関わる研究。
Evidence Based (Informed) Policy Making と呼ばれる分野での研究及び実務的蓄積を前提に、グローバルな諸課題を含む複雑化する社会の動態に対応した政策形成に、広義の「エビデンス」が反映されるための条件について検証する。
新型コロナウイルスを受けたグローバル保健にかかわる国際対話
米国保健政策専門家代表団の訪問(Photo credit: Sasakawa Peace Foundation US)
博士号取得後、国際機関等での勤務を経て着任いたしました。国境を超える問題の対応には国際的な調整が不可欠ですが、強制力に乏しい国際的な社会において対応能力を維持することにはいつも困難が伴います。こういった問題に対し、行政学・政治学的な視点から、どうすれば国際的なガバナンスの仕組みが改善できるかについて、実務的な背景も踏まえ研究しています。特にこういった問題が顕著になる分野として、新興科学技術分野が挙げられます。まだ答えのない分野への新しい制度形成について、各国、各地域・同盟諸国、世界レベルで様々な取り組みが進む中、日本がどのような対応を取ることが望ましいのかについて、多様な視点が求められています。研究室では、実践的なアプローチを取ることができるよう、また将来にそのような経験が活かせるよう、様々な工夫をしています。ご関心のある方はぜひ一緒に働きましょう。
メンバー
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- 武見 綾子 准教授
専門分野:政治学、行政学、国際行政学
<2024年4月現在>
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