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附属包摂社会共創機構(当事者主導共創分野)
綾屋研究室

神経多様性にもとづく連帯と共創

神経学的に多様な人々の連帯と包摂

 1993年から始まった自閉症者の権利運動におけるニューロダイバーシティの理念にもとづき、神経学的に多様な人々(多数派を含む)が、支援ニーズやジェンダーなどの違いを越えて、分断ではなく連帯して生きられる未来の実現を目指しています。また、マイノリティとマジョリティの間にある分断を深める要因として、組織における心理的安全性の低さや、メディア・アカデミアによって流布されるスティグマ(差別や偏見など)の問題にも注目しています。

学術研究における共同創造

 当事者参加型研究や当事者主導研究の広がりにより、これまで研究の対象とされてきた障害を持つ人々やマイノリティの立場にある人々が、主体となって学術研究に参画する動きが世界的に進んでいます。しかし、関与が表面的・象徴的なものにとどまる「形骸化(tokenism)」など、さまざまな課題も存在しています。こうした課題を検討し、研究者と当事者が真に対等な立場で共同創造できる関係の構築を目指します。

当事者研究の社会実装

 私たちの研究室は、日本独自の実践である当事者研究を、認識的不正義というレンズを通して再解釈し、自己権利擁護の手段として位置づけます。当事者研究では、同様の経験を持つマイノリティが集まり、自分たちの経験を共有することで、マジョリティ社会にはまだ存在していない、マイノリティの経験に特有の困難の形を表現し理解する方法を生み出し、共有する可能性があります。これに基づいて、私たちは疎外されたマイノリティからマジョリティまでの幅広い人々を対象に、国内外の組織や地域社会に当事者研究を実装することを目指しています。

現在取り組んでいる重点課題

 特に現在は、支援ニーズの高い自閉症者が多数派社会の規範の中で、次の二つの点において今なお不十分な状態に置かれていることに注目しています。第一に、身体の不調を汲み取ってもらうことや、全身で発している音声言語以外のさまざまな言葉(表現)を受け取ってもらうこと、すなわち「音声言語以外の手段を通じた身体レベルのコミュニケーション」の不足です。第二に、時間的・空間的な見通しを確保するための情報を、その人に合った方法で提供してもらう「情報保障」の不足です。当研究室では、この「身体レベルのコミュニケーション」と「情報保障」を、本人が身体・環境・社会とつながるための重要な手段として捉え、支援現場や地域社会への実装を目指します。

海外の自閉症の仲間を招き国際シンポジウムを開催

海外の自閉症の仲間を招き国際シンポジウムを開催

国籍や障害の違いを越えて取り組んだ当事者研究

国籍や障害の違いを越えて取り組んだ当事者研究

ミニコラム
支援の現場でよく聞かれる言葉の一つが「言葉がない子どもとコミュニケーションがとれない」というものです。しかし人のコミュニケーションは音声言語に限られたものではありません。泣き叫び、頑として動かないことで拒絶を表わし、心拍や呼吸の速まり、手足の冷たさや発汗などで不安を表わすなど、私たちは音声言語以外のさまざまな言葉(表現)を全身で発しています。ぜひもっと身体で語り合っていただければと思います。また、「社会に出たら学校のような手厚い支援は得られない。支援がなくてもできるように訓練しなければ」という言葉もよく聞かれます。しかし情報保障はいつか取り外すべき「自転車の補助輪」ではありません。不足している情報を得るために常に必要な「眼鏡」のようなものです。「学校にいるうちに必要かつ適切な支援をたくさん発見し、それらと共に社会に送り出そう」という考え方が社会全体を変えていくことを願います。

メンバー

  • 綾屋 紗月教授
  • 専門分野:当事者研究、当事者主導研究

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